「彼女がサッカーにのめりこむようになったのは、'02年にテレビでデビット・ベッカムを見てからだといいます。最初はサッカーファンというよりはベッカムファンだったんでしょう」(テレビ局関係者)
しかし、それから試合を観戦すること、年間2000試合以上、仕事がオフの日は1日10試合もテレビで観戦しているという。しかも、ただ見ているだけではない。
「ブログに掲載された観戦記が評判になりましたが、実は試合の内容や感想を詳しくノートに書き込んでいるんです。ノートの数は100冊を超えているそうです」(前出・スポーツ紙記者)
“ワールドカップ”バブルを見込んで出現した、芸能人の“にわかサッカー通”とは違うようだ。そこで彼女に目を付けたのがフジテレビ。昨年7月に行われた『浦和レッズVSドルトムント』戦の生中継で副音声の解説に彼女を抜擢。
「プロの解説者ではありませんしサッカー経験者でもありませんから、踏み込んで技術的なことを分析したり解説するのは難しいんじゃないでしょうか。ですが、長年にわたって多くの試合を見ていますから、選手の人間性やメンタルな部分、クセなどについては、よく捉えているようです。違う観点から試合を解説するのも面白いと思いました」(前出・テレビ局関係者)
ファンの拡大につながる、と彼女の起用を評価するプロの解説者もいる一方で、批判的な声も聞こえてくる。
5月27日に行われた欧州チャンピオンズリーグ決勝で、同じく副音声で解説を務めたのだが、
「ミスした選手に対する辛辣なコメントがサッカーファンから不興を買っていました。技術的な面を解説するのではなく、単に感情的なコメントだったので、不快と思う人もいるでしょうね。サッカー好きというだけで、芸能人を解説者に仕立てるテレビ局に、疑問を呈するスポーツジャーナリストも少なくないですしね」(前出・スポーツ紙記者)
ツイッターなどのSNSを見渡すと、
「小柳ルミ子、まじいらん」
「解説外してもらっていいですか。不愉快です」
などの意見が大多数で、
「面白かった」
「これはこれで楽しい」
などという好意的な意見はごくわずかのようだ。
それは、そもそも、彼女に解説者としての役割を担わせたテレビ局に責任はあると思うのだが、どうなのだろうか。
批判の声は彼女にも届いているハズ。しかし本人は、かつての“解説者”デビューのときに「解説って仰らないで。好き勝手なサッカートークですから」と語っていたことも。観ているほうも、そう思っていれば腹も立たないのでは……。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。