卓球・張本智和選手

「世界卓球2017」で爆発的な活躍を見せ、一躍有名になったのが、卓球男子の張本智和選手(15)。2016年、小学校卒業と同時に地元仙台を離れ、単身で上京。将来、オリンピックや国際競技大会で活躍できる選手を育成する「JOCエリートアカデミー」に所属してからは、数々の世界戦やオリンピックも経験した。

 今年6月に行われた「ITTFワールドツアープラチナ・ジャパンオープン」では、決勝で元世界ランキング1位で12年のロンドン五輪金メダル、16年リオ五輪で銀メダルを獲得した張継科(中国)を撃破し、初優勝を挙げたばかりだ。

 今では世界ランキングも日本人最高位の8位(2018年7月現在)となり、日本代表の顔ともなった張本だが、今、卓球以外にも集中しなければならないことがあるのだという。

影響を受けた、あの2人

「現在、中学3年生ですから本来なら高校受験を、具体的に考えなければなりません。本人や家族だけではなく、代表選手として育成枠に入っているため、事前に今後のスケジュールも含め、話し合わなければならないんです。

 張本クラスの選手であれば、通常、卓球の強い有名校に推薦で進学するのが一般的なのですが、実は勉強ができるだけに、難関校も受験してみたい気持ちがあるようなんです」(卓球メーカー関係者)

 ただでさえ、遠征や代表の合宿、練習で勉強する暇もないはずだが、

「そもそもの実力がすごいんですよ。小学校時代は地元・仙台市内の小学校に通っていましたが、宮城県全体の学力テストではトップ10入りしていました。全国模試で、算数と国語は4回も1位になったこともあります。

 中学1年生の時も、すでに国際大会や遠征、練習に追われていましたが、通知表はほとんどの教科が最高の5だったそうです。小学生時代から学習塾にも通っていましたが、今ではその塾の広告に出演するほど、勉強好きでも知られています

 というのは、前出の卓球メーカー関係者。

 張本の同世代というと、対談をしたことがある将棋の藤井聡太七段(16)の影響も大きいという。国立大学の付属中学校から高校に進学し、その時期に段位もどんどんと上がっていった。

 さらにもう1人、同世代で影響を受けた人がいるという。

「女優の芦田愛菜さん(14)なんです。彼女も仕事をしながら、慶應義塾中等部に入学しました。それが張本には、相当な刺激になっていて、2人のように文武両道を何とか実現できないのかと悩んでいるようです。

 ものすごく負けず嫌いなだけに、スイッチが入ると猛烈に集中する性格ですから、難関校受験もやりかねません」(前出・卓球メーカー関係者)

 受験生には勝負の夏。ラケットをペンに持ちかえて、受験でも大金星の「チョレ〜イ!!」は決まるだろうか。

<取材・文/宮崎浩>