役の影響でうどん好き? 差し入れは野菜たっぷり
綾野の本作にかける思いを共演者も応援し、そのひとりが渡部だ。
「自分が演じることで、鷲津を演じる(綾野の)助けになるなら、と話してらっしゃいました。演じることで誰かの役に立てたならいいなと初めて思った、と。あまりにいいお話だったので、すぐ綾野さんにお伝えしちゃいました(笑)」
渡部が演じるバンカーは、上からも下からも突き上げられる役で、視聴者目線に近いので共感できるはず。
原作で鷲津は効率よく食べられて腹もちのいいうどんを好むというところから、綾野もうどんをよく食べるようになったそうだが、座長としては、こんな心配りも。
「カレーのケータリングを差し入れしてくださったんですが、撮影中は野菜不足になりがちだからと10数種類の野菜の副菜つきだったのには一同、感激。山盛りにして食べていました」
企業買収、マネーゲームと、遠い世界の物語と思いがちだが、経済などの知識がなくても楽しめる痛快エンタメに仕上がっている。
「会社組織でもご近所コミュニティーでも忖度や不条理を感じる時代。鷲津はそういったガラスの壁のようなものをどんどん叩き割り、風穴をあけていく。綾野さんは“鷲津の根底にあるのは窮屈な時代への怒りだ”と言っていました。すべてが正義ではなく、自分の欲望に忠実なダークヒーローというところも痛快さの一因だと思います」
私腹を肥やしている経営者に制裁を加えるが“あなたはまだ生きている”と、その人のすぐ近くにある“希望”に気づかせるのは、鷲津なりのエール。
第2話(7月26日放送)で鷲津が買収を目論むのは、大手ベッドメーカー。双方の攻防とともに社長(かたせ梨乃)がハイヒールで鷲津の足を踏みつけるというかたせのアドリブにも注目!
綾野プロデュース“鷲津スタイル”
髪型、服装、メガネにいたるまで鷲津のスタイルは、綾野がプロデュースした。
「外資系の金融マンはサスペンダーをしていることが多いんですが、綾野さんから“鷲津にとってのスーツは、いわば戦闘服”ということで、ホルスター型のサスペンダーになっています」(中川P)
黒い細身のスーツやネクタイにもこだわりが。
「本作は3つの年代を描いているので、それぞれにスーツもネクタイ、メガネも変えています。とてもこまやかな変化ですが、気づいていただけたら」(同)