ヤバさは成功の母
仮に世間がどんなにヤバいオンナだと言ったとしても、錦織に「彼女はかけがえのない人だ」と思わせることができたら、勝ち。自分のヤバい過去がバレたらどうしようとひるんだり、ヤバいオンナと言われることを恐れて、人の顔色ばかりうかがっていては、大事な人は永久に手に入らないのです。ヤバいオンナと言われる人は、空気が読めないので周囲を怒らせることもありますが、だからこそ、周囲を気にせず、イチかバチかの大勝負ができるという利点もあるのです。ヤバさは成功の母なのです。
しかし、結婚となると、親や周囲の意見は非常に大事になってきます。ヤバい娘と思われている観月は、この点では分が悪いでしょう。しかし、スポーツ選手の場合、勝つことが正義です。錦織がどんどん勝って、世界ランキングを上げさえすれば、もう周囲は文句を言えないのです。
実際、周囲の観月に対する認識は少しずつ変わっていっているようです。
2018年6月29日号の『FLASH』(光文社)によると、ウィンブルドン選手権前に開かれた全仏オープンで、観月と“天敵”マイケル・チャンコーチが談笑する姿が見られたそうです。これも錦織の復活が順調だからでしょう。
世間ほど無責任で当てにならないものは、ありません。錦織が今後ますます活躍し、観月と結婚したら、もう誰も観月をヤバいオンナとは言わず、すばらしい女性だとほめたたえるでしょう。
今季のウィンブルドンを制したのは、ノバク・ジョコビッチでしたが、閉会式でのスピーチで、ジョコビッチはまず妻への感謝を表しています。いつの日か錦織が同じように観月へ感謝するスピーチをするのを、テニスファンとして、ヤバ女好きとして心待ちにしています。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。他に、男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。