――最近の外国人専門事務所の芸能界における状況についてはどうお考えですか?
「昨今はドラマが減り、バラエティー番組では芸人さんを扱った“ひな壇”の仕事が多くなってきています。それに外国人を扱う競合他社も増えてきて、昔のようにはいかなくなっているのが現状です。
ですから、国際裁判の通訳の仕事で派遣したり。あとは、空港や税関のセキュリティー強化のためや企業情報データ向上のために、顔認証として2000人以上のタレントを紹介したこともありました。
今後は、外国人タレントの需要が減っていくこともあると思います。だからこそ、人がやらないことにも裾野を広げていかないと。まだまだ、頑張りますよ!」
今年84歳。今でも、大使館やレストランで外国人をスカウトしているという健在ぶりだ。「人の顔は履歴書」という彼女の顔からは、到底「引退」という文字は見えてこないーー。
稲川さんがイチオシの外国人タレントは?
最後に、オススメの所属タレントを紹介してもらった。
「リナ・カーフィザデーちゃんという女の子が、いま売り出し中です。父がイラン、母がドイツ。でも本人は日本で育つという生い立ちなんです。
『メイドインジャパン!』(TBS系)という番組に出演したことで、人気に火がつきました。彼女が出演したときは、弊社のホームページがダウンしたほど話題になったみたいです。日本語ペラペラですし、日本人らしい顔立ちでもあって本当に可愛い。
それと日本人タレントになるのですが(笑)、ラルバボーチェという6人組男性合唱団です。本当に素晴らしいユニットです。来年の紅白歌合戦出演を目指しますから、ぜひ注目してください!」
<取材・文/新津勇樹>