現在放送中のドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系、毎週土曜夜10時~)。その中で波瑠演じる主人公・さやかの妄想シーンに使われている“コマ撮りアニメ”の制作現場に潜入! 手がけるのは、数々のキャラクター開発とコマ撮りアニメーションを制作してきた「ドワーフ」。それ、どうやって作ってるの? その秘密に迫ります!
監督にインタビュー
NHKのどーもくんや、大人気のキャラクター・こまねこの“生みの親”であり、本作も手がける合田監督。
「通常、1日に3~4秒分のアニメを撮るんですが、今回は1日でなんと15~20秒! 自分たちにとっては大冒険ですが、苦しむのは嫌なので(笑)、いかに楽しんでやるかが勝負です。
いつもの人形は人間と同じようにポーズができる。でも今回は、時間を省くためにほとんどの関節をなくし、首だけが動くコケシ型にしました。さらに表情がよく表れる口や眉も思い切って省いて、顔のパーツはほぼ目だけに。
簡略化させたことでつまらなくなるのではなく、逆に可愛さが増せばいいなと。民芸品を愛でるみたいな、そういう気持ちで作っています」
あの子たちはどうやって作られてる?
広いスタジオで黙々と作業は行われていた。昼食、夕食の休憩を挟みつつ、朝は9時~夜の9時まで作業は続く。
撮影スタッフは、アニメーター、監督、照明、アニメーターのアシスタント、美術、現場監督の計6名。アニメに合わせて声を入れる“アフレコ”ではなく、セリフに合わせてアニメを作る“プレスコ”方式で行われる。
担当アニメーターはこの道の大ベテラン・峰岸裕和氏。合田監督とはどーもくん以来の付き合いで、お互い信頼関係もバッチリ。
撮影された映像はこのモニターに映し出される。目のパーツをひとつ変えるのにも、▲のシールで位置を印してからと、慎重に。
目のパーツだけでもこんなにたくさん……! まばたきするときには半月型、閉じた目のときは“切った爪”のような形のものにするなど、目のパーツを変えると表情がガラリと変わる。
主人公・さやかのキャラクターデザイン。目の形が変わるだけでもこんなにも表情が変化するなんて……!
首と身体はマグネットでつなげられ、絶妙な顔の傾きなども可能に。
植物や花は、先がピンになっていて、自由自在に刺せるようになっている。緑の地面はフェルト生地でできているので、何度抜き刺ししても、あとが残らない。
別のシーンで使われる教会のセット。まるでミニチュアのよう。
泥にハマるシーンでは、茶色いスライムに人形をつけて表現。完成したアニメーションでも、ドレスの生地がジワジワと泥の色を吸い上げていく様子が反映された。
おまけ
取材で訪れたドワーフさん。会議室には、たくさんのどーもくんグッズが散りばめられ、遊びゴコロで溢れかえっていました!