しかも、母国にサンコン小学校を作り、生徒は無償で通えるという。
「その生徒さんたちも彼が育てているようなもんですよ。親戚、家族関係なく、分け隔てなく愛するのがいいところ。そうなると、私も“あの奥さんの子どもだからダメ”とか言えなくなるんですよ。
もう、サンコンイズムに染められてるわけです。そこに飲み込まれちゃったから、奥さんと別れて私のところに来てって、とてもじゃないけど言えないのよ。そんなちっちゃいこと言えないなって。彼はスケールが大きいんですよ。でも、貯金はまったくないの!(笑)」
若いころなら一夫多妻なんて無理だったと苦笑いする北山。彼女自身もバツ2で、その経験が再婚を後押しした。
「女性って満たされないから不満を持つんですよ。今は精神面がいちばん満たされています。本当によく連絡をくれるんです。こまめに連絡をくれて、離れていてもいつも思っているよって伝え合うというのが大切ですよ。今まで2回の結婚は全然、相手と向き合ってなかった。連絡しても、返事は来ないし。それで音信不通になって、夫が住んでるところもわからなくなっちゃったんです(笑)」
日本では考えられない第3夫人という立場。そんな婚姻関係に彼女の家族は意外な反応を見せる。
「母は最初、妙な顔をしていましたけど、なんせ3度目の結婚ですから慣れてきたみたいで、”そんな結婚もあるのね“って(笑)。しかも“私もギニアに住んじゃおうかしら”なんて言って。父は亡くなってますし娘3人だから跡継ぎがいないでしょ。だからお墓もギニアでいいって言い出してますよ。
私の考えでは母が日本で亡くなってから、サンコンとギニアに住むのもいいかなって考えていましたけど、“えー、母もギニアに行っちゃうの”って(笑)。そこまで母も応援してくれてるんだって、すごくうれしかったですし、感動しました」
母も認めた新しい夫は彼女より19歳上。将来的には介護問題も出てくるが……。
「結婚後も歌手を続けますし、サンコンが働けなくなったら、私が働いて介護費用を捻出し、2番目の奥さんが介護するとかね。
いろんなやり方が出てくると思うんですよ。国に帰るかもしれませんし、子どもがこっちに来るかもしれません。予測はできないですよね。でも、今はその予測できない未来がとても楽しみです」
そして、最後はギニアのお墓に夫婦で入るというのだ。
「だってプロポーズが”一緒のお墓に入ろう“ですから。年内にはギニアに行って国籍を変え、そこで入籍をしてギニア人として日本での永住権を取ることを考えています」
そこで、彼女はギニア国籍になったらどう生活が変わるのか役所に通って調べてみたという。
「年金も印鑑証明も相続とかも今までどおりなんです。健康保険も普通に払わないといけないし。ないのは選挙権だけ。どこの国に住んでも、どの国の人になっても、今まで払った年金はもらえるんですよ。ということは、日本で年金をもらうより、ギニアで年金をもらったほうがホクホクで生活できますよ。そうなったら、ライオンとかキリンとか飼っちゃおうかしら。できるのかしら?(笑)」
その笑顔は、とても幸せにあふれていた─。