バルセロナ五輪銀メダリストの池谷幸雄氏に話を聞くと、元日本体操協会理事という立場から組織変革の必要性を語ってくれた。
「もし第三者委員会が宮川選手の言うことが本当だったと認めたら、協会は変わらなくてはいけないと思います。人事構成も、システムも。
ただ、それよりもまず、宮川選手がいち早く練習できて速見コーチが指導できるようにしてほしいですね。彼女は世界選手権を辞退すると言っていましたが、今ならまだ間に合います。
ケガもしていないのに、選手本人が試合に出ないという状況にしちゃダメですよ。選手ファーストではない協会の姿を見せてしまったら、選手たちは何を希望に練習してよいのかわからなくなってしまいます」
慎重に言葉を選びながらも、元選手として宮川選手の置かれた状況を気遣っていることが伝わってきた。
速見コーチは処分撤回を求めて仮処分を申し立てていたが、31日に弁護士を通じて取り下げを発表。
「もとを正せば私の行動によりいちばん被害を受けているのが宮川選手です。しかしながら宮川選手がいちばん望んでいることが私の指導の復帰です。
私がすべきことは処分を不服として争うことではなく処分を全面的に受け入れ反省し、みなさまに認めてもらったうえで、一刻も早く正々堂々と宮川選手の指導復帰を果たすことが選手ファーストだという結論に至りました」
暴力も、パワハラも、許されることではない。何よりも今は18歳の少女の未来を最優先に考えることができるかが問われている。