おとなしいミリタリーマニア
襲撃現場で別の警察官に射殺された相澤容疑者は、清野さんの高校の後輩にあたる。自宅は事件現場から約700メートルと近く、両親と弟との4人暮らし。
「小さいころはうちに遊びに来たこともあるんだけど、小学校に上がってからは来なくなったね。うちは猫を飼ってたんだけど、あの子が猫アレルギーになったもんでね」
そう記憶を呼び起こすのは、近所に住む遠戚の女性(80)。
「まじめな感じだったね。普段はあまり笑顔とか見せなくて、会話もあまりなかった。しゃべらないほうだったよ。おとなしくて、積極的にコミュニケーションをとる子ではなかったね」
と、振り返る。
事件後に、容疑者が在籍する東北学院大が「自分からコミュニケーションを図る学生ではなかった」「個人的に連絡し合う仲間はいなかった」と記者会見で明かした人物評と合致する。
さらに、卒業論文のテーマとして「憲兵制度」を希望したこともわかり、交番襲撃時に複数のエアガン、刃物、予備弾倉で完全武装していたことからミリタリー(軍事)マニアとみられている。
相澤容疑者が、人生のどの時期に変容したのか明らかになるのはこれからだが、前出の女性は容疑者の変容前の一面を次のように明かす。
「動物は好きだったね。それからね、よく弟と仲よく庭で土を掘っていて、穴掘りが好きだったんじゃないかな。
高校生のころまでは生き物をいろいろ飼っていたみたい。ウーパールーパーとか。中学・高校と部活動は生物部で飼育に力を注いでいて“今日はお母さんがウーパールーパーの水槽の水を取り替えてくれるんだ!”とうれしそうに話してたこともありましたね」
容疑者宅の庭には多くの花木が植えられ、手入れは容疑者の母親の役目という。 近所の古参住民は、
「相澤さんの家の前を通るときに“あの花の名前、なんていうんですか?”などと雑談したことはあります。そうしたら相澤さんのお母さんは“私も名前はわからないのよ”なんて言ってましたね。とても明るい女性ですよ。よくおしゃべりしました。今は家の前を通っても真っ暗で、弟さんがかわいそう。大学受験を控えているはずだから」
近隣の主婦は、「事件後、ご家族は1回も見ていませんね。自宅に電気もついていないですし、車で出かけているみたい」と話す。