もし将来、住む予定があるのなら、空き家のまま管理する方法も選択できる。
「自分で管理できない場合は月額5000円から1万円程度で、『空き家管理サービス』を利用する方法があります。'17年には空き家管理事業者を対象に『空き家賠償責任保険』の販売も始まりました。空き家に関する事故にも対応してくれますから、便利ですよ」
とにかく早期売却が吉?
しかし都心や都市部の一等地以外、大半の地域は住宅価格の下落が予想される今、早期に売却するほうが賢いと長嶋氏は言う。
「ほとんどのケースで売値は“今”がいちばん高いはず。'19年12月31日までなら、家屋や取り壊し後の土地を譲渡した場合、譲渡益から3000万円控除できる特別控除の特例もあります。残したい心情はわかりますが、早めに解決したほうが経済的には得策です」
家を持つことは、一国一城の主になること。そう言われた時代は今や昔。
「不動産は査定して売れるまで早くて3か月、普通は6か月かかります。できれば生前に遺言書を取り交わし、亡くなられたら速やかに売りに出す。時間がたつほどライバルの空き家が増えるので、先延ばしにして放置するのは危険です」
〈PROFILE〉
長嶋修さん
不動産コンサルタント。(株)さくら事務所代表取締役会長。テレビ出演など多数。近著に『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』(日経プレミアシリーズ刊)