「外食の場合は、どんな素材を使っているのかわかりませんが、成城石井のカフェメニューは、レシピカードに材料と作り方が掲載されているので安心して食べられる。カフェで味を確かめたあと、食材を購入して家庭で再現できるのも楽しいんです」
スーパーに本格的な江戸前寿司
スーパーはもはや買い物するだけの場所ではない。
「激安食材を求めてスーパーに行くという時代は終わり。これからは、“あのスーパーがおしゃれだから”“ランチがおいしいから”と、ワクワクして出かけていけるような、エンターテイメント性が求められてくるでしょう」
エンタメ性のあるスーパーで菅原さんが注目していると話すのが、三重県にある『マルヤスメルヴィ芸濃店』だ。
三重県津市に本社を置き、高品質な食材を提供するとして地元の人に人気の高い『マルヤス』の県内11店舗目となるこのお店は、今年4月にオープン。
入店すると、ハワイアンミュージックが流れ、天井が高く開放的なスペースに色鮮やかなフルーツが木になっているかのように陳列されたりと、まるで海外のスーパーにいるよう。
もともとフルーツ専門店から創業したマルヤスだからこそ実現する、どこにも負けない新鮮フルーツの品ぞろえは圧巻だ。
鮮魚売り場に進むと突然、白木の引き戸が立派なカウンターの寿司屋が登場。スーパーでの買い物の途中に、本格的な江戸前寿司が味わえるというのだ。
江戸前寿司店「鮨禧」の板場を支えているのが、隣のスーパーの鮮魚部。板長の発注をもとに鮮魚部が鮮度も質も抜群の魚の仕入れと下準備まで行っている。
「ただ買い物をしてもらうだけでなく、驚きを提供することで、テーマパークのように楽しんでもらいたいと思っています」
こう教えてくれたのは、常務取締役の鈴木堅之さんと下川拓郎店長。ハワイアンな気分で買い物をしていたら突然、本格寿司屋が現れる仕掛けは、まさにサプライズ。
その後も、生ハムの原木や松阪牛のかたまり肉が美しい熟成庫、ドライフルーツやナッツなど100種類ほどのスーパーフードの量り売りという、次々とユニークな仕掛けが現れ、まさにアミューズメントパークのよう。