アニマルホーダーは孤立との関わり大
アニマルホーダーのなかでも、こうしたタイプをレスキュー型という。ペットにとって自分の側がいちばん幸せだと思っているので、他人には渡せない。しかし、自身の経済的基盤を顧みず、身の丈に合ったやり方ではないため、次第に劣悪な状況に陥ってしまうのだーー。
「高価な宝飾品を集めるのと同じ感覚で、ペットを抱え込むコレクション型もいます。社会的地位のある人に多いといわれています」
このほかに、いかに理想に合ったペットをつくり出していくかに情熱を注ぐブリーダー型もいる。
「これら3つのタイプの共通項はいくつかあって、だらしない、高齢、幼少期に何かしらの問題があった、などといわれています」
しかし溝上さんは、アニマルホーダーは孤立とのかかわりが深いのではないかと指摘する。
「世間とつながりがない、友達が少ない、孤独、親戚付き合いをしていない、コミュニケーション能力が低い……。そうした傾向を強く感じますね」
ペットの飼育に適正な頭数は、家族構成や飼い主の年齢、経済状況、住環境などによって違う。多頭飼育であっても、不妊手術を施し、食事をきちんと与え、掃除も欠かさない飼い主『アニマルコレクター』もいる。どこまでがコレクターで、どこからアニマルホーダーとなるリスクがあるのか、その線引きは難しい。
「ただ、アニマルホーダーが多頭飼育崩壊の要因であることは間違いなく、対策が必要です」
今後、この問題は、いっそう注目されてくることだろう。
《PROFILE》
溝上奈緒子さん ◎NPO法人『ねこけん』理事長。猫の保護、里親探しなど、殺される命を救う活動を通して殺処分ゼロを目指している