刑務所仲間の青年3人が企てた大富豪の老女誘拐事件の攻防を描いたエンターテイメントドラマ。27年前に映画化もされた人気原作を現代版にした舞台裏をプロデューサーが激白!
家族で楽しめる記念作。ローカル局の特徴も
“昼ドラ”で一時代を築いた東海テレビの開局記念ドラマ『大誘拐2018』(フジテレビ系 12月14日 金曜夜7時57分~)は、岡田将生主演の痛快エンターテイメント。
「長年、ドラマ制作にかかわってきましたが、近年は家族全員そろって楽しめる作品がめっきり少なくなった気がします。笑いあり、涙あり、ミステリーにスッキリ爽快感と、すべてがそろった冒険活劇であるこの作品をワイワイガヤガヤ、家族や友人と一緒に見ていただければ。
ドラマは世代や見る人によって、気になるところ、感じ方が違うかと思います。それを身近な人と話し合うことで、いろんな価値観に気づくのも楽しいかと思います」
こう語るのは、同局の市野直親プロデューサー。
天藤真が40年前に上梓した同名小説をドラマ化。1991年には北林谷栄、風間トオル、緒形拳らが出演して映画化されたヒット作だが、本作では現代版として描く。
「おもしろくて隙のない原作ですが、時代とともに社会の状況や通信機器の進化、働き方、職場の上下関係など、さまざまな変化がありました。それに伴い、人の気持ちや考え方も変わってきています。原作を現代版に置き換えて物語を展開することにとても意義があると感じました」(市野P、以下同)
岡田演じる健一は、施設育ちの元ヤクザ。刑務所で知り合った平太(中尾明慶)と正義(森田甘路)を誘い、人生の一発逆転を狙って誘拐を企てる。ターゲットは、日本有数の大富豪の老婦・とし子(富司純子)。
誘拐犯3人組と事件の指揮を執るたたき上げの刑事・井狩(渡部篤郎)との攻防と思いきや、気づけば、頭脳明晰なとし子に翻弄される健一たち。身代金100億円をめぐる誘拐事件の顛末やいかに?
「60周年の作品ですが、これまでを振り返るというより、未来への新たなチャレンジに思いを込めたものにしたいと思いました。そして、その未来を今いちばん感じさせてくれる俳優、岡田さんにオファーしました。
とし子役は、品があって迫力がある女性。この2つを兼ね備えている富司さんにお願いしました。渡部さんも依頼を快諾、意欲的に臨んでくださっています。
キャストは、芸歴55年の富司さんから、デビュー半年の伊原六花さんまで幅広い年代と、プロレスラーの棚橋弘至さんからキャスターの吉川美代子さんまで幅広いジャンルの方々で構成されることになりました(笑)」
舞台を東海地方に変えるなどローカル局の特徴も。
「東海エリアの地名が出てきたり、セリフはとし子が三河弁、井狩は名古屋弁になっています。土地の言葉ではないけれど、健一役の岡田さんは声のトーンを変えて役に臨んでいますので、こちらもご注目を。
また、名古屋やかつてこの地方に住んでいた方には懐かしい、東海テレビのベテラン局アナ(庄野俊哉)も登場します」