最後に、たくさん回った駅ラーメン店から、鈴木さんのベスト3を選んでいただいた。
「まずは、横浜駅の『中華一 龍王』です。正統派の中華そばで、しょうゆスープに深みがあります。日替わりや週替わりのメニューがあり、安く食べられるのもいいです。店の雰囲気も気楽で、居心地がいいです。
次は、北海道のJR釧網本線・止別駅の『ラーメンきっさ えきばしゃ』です。ここの“ツーラーメン”がおすすめ。
刻みチャーシューと白髪ねぎをトッピングした塩ラーメンで、時間をかけてじっくり煮るためにスープが赤っぽくなっています。
最後は、佐世保駅『香蘭』の長崎ちゃんぽんです。カウンター席から、山盛りの具材を豪快に炒める様子を見ることができます。
この店の向かいには『大善』というちゃんぽん屋もあるので、はしごして食べ比べもできます(笑)」
旅に出かけるときには、バッグに忍ばせておきたい最強のガイドブックだ。
ライターは見た! 著者の素顔
駅そば・駅ラーメンの取材では、スープまで飲み干すことをルールにしているという鈴木さん。
「最後の1滴まで飲んでどう感じたかを書きたいんです」。
そのかわり、健康維持のために、いつも歩いているそうです。
「今日も自宅まで3時間歩いて帰りますよ。ほかにも野球観戦、釣り、荷物梱包用のPPバンドを使っての工作と趣味は多いです。また、小説を書いていた時期もあります。1日でいちばん楽しい時間は、ホームページを更新しているときです」
PROFILE●すずき・ひろき 1973年、埼玉県生まれ。駅そば、道の駅、スーパー、日帰り温泉など旅にまつわるさまざまなB級要素を研究する「旅のスピンオフ・ライター」。著書に『駅そば 東西食べくらべ100』『駅ナカ、駅マエ、駅チカ温泉』『全国駅そば名店100選』『愛しの富士そば』など
(取材・文/南陀楼綾繁)