人間の3大欲求といえば、食欲、睡眠欲、性欲だといわれています。この3つは、結婚生活において切っても切り離せないもの。中でも夫婦不仲の深刻な問題になりがちなのが、3番目の性欲です。
婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆく連載。今回は、『こんな性癖、あんな性癖、ヘンな性癖』です。
一緒に寝ても何もしてこない男
結婚相談所での出会いがきっかけとなり、美咲さん(36歳、仮名)は、正太郎さん(45歳、仮名)との結婚が決まりました。正太郎さんは、公務員で仕事も真面目、面白みはないですが実直な人柄でした。
美咲さんは、2年前に離婚を経験しています。元夫は、口から先に生まれたようなお調子者で、美咲さんを喜ばせるようなことを言いますが、行動が伴わない。挙句の果てに浮気を繰り返し、それを責めると逆ギレをする人でした。
正太郎さんは、そんな元夫とは正反対のタイプ。「結婚は、日々の生活ですから、真面目で誠実な人がいいです」と言って、結婚を決めたのでした。
しかし先日、「ちょっとご相談があります」と、美咲さんから連絡が入りました。
それが、こんな内容でした。
「真剣交際に入ってから気になってはいたんです。手もつないでこないし、何もしてこない。触れ合ったりすると、どんどん先に進んで行ってしまうし、結婚相談所には、“男女の関係は成婚とみなす”という規約があったから、真面目な正太郎さんは、それを守っているんだなと思っていたんです。
ところが先日、2泊3日の旅行にはじめて出かけたんですね。そしたら、同じ部屋に寝ているのに、何もしてこなかった。ベッドも別々でした」
女性から迫るのもどうかと思い、何もせずそのまま帰ってきたと言います。その旅行から美咲さんは、あれこれと考えてしまいました。
自分に女性としての魅力がないのか。もしかしたら、女性とそういうことをするのが初めてで、やり方がわからないのか。それとも性欲自体がないのか。
「どうしたらいいでしょうか。これから夫婦になるのだから、これはとても大事なことだし、私は結婚したら子どもを授かって家族を築きたいんです」
美咲さんからの相談に私は、「彼のプライドを傷つけないように、聞いてみたら?」と、アドバイスしました。