日テレ強さの秘密、などといった記事はビジネス誌ではウケるかもしれないが「隙があればネタにしたい、叩きたい」という週刊誌、およびそのような記事を読みたい読者には食い足りないのだ。

 そこに降って湧いた「イッテQ騒動」である。これもいわゆる“文春砲”ではあるが、後追い報道も盛り上がった。

 なぜかといえば、それは「超人気番組だったから」というのが大きいだろう。

「イッテQ」のヤラセ問題の中身については、私は「AbemaTV」など別のメディアで語っているのでここではあえて触れない。

 しかし仮に「イッテQ」が視聴率7~8%の番組であれば、問題視はされただろうがここまで大きく取り扱われることはなかったはずだ。

視聴率20%番組の影響力

 同じような海外ロケ番組は、各局抱えているのだが「イッテQ」ほどの視聴率と、全世代的な支持を集めている番組はない。

 見出しに「イッテQ」とあるだけで、どんな番組かみんなが知っているのだ。

 そして日テレ以外の局でもこの話題を取り上げるのだ。「イッテQが!」と画面上のサイドスーパーに載せれば、そこのコーナーの視聴率は上がる。視聴率20%番組の効能は大きいのだ。

 フジテレビネタが枯渇したときに、超人気番組のヤラセ問題という“おいしい題材”が出てきたのだから、メディアは一斉に飛びついた。

 さらにタイミングよく(日テレにはタイミング悪く)10月の月間視聴率で「全日」をテレ朝が獲得して、三冠王の連続記録がストップするというニュースも重なった。

「あ、この合わせワザで“日テレに忍び寄る危機”という記事が作れる」

 編集者なら誰でもそう思うだろう。そして実際、そうなった。

 私の元に「コメントをいただけないか」「AbemaTVに出演いただけないか」というオファーがきたのは「イッテQ問題」が浮上してから約1週間に集中していた。

 さらに10月から有働由美子アナが登場した「zero」も、注目を集めたものの微妙な視聴率と、これまた格好の題材になってしまった。

 長らく三冠王を続けている日テレは、つまり「いちばん多く見られているテレビ局」である。日テレの話題となると、一段と注目を集めてしまう。