アイドルへの愛は無償、それだけに一方通行
ご贔屓のアイドルがいるのは、決して悪いことではありません。落ち込んだり、嫌なことがあったりした時に、彼らの歌を聴いたり、ドラマや映画をみて元気をもらったりしてきたのでしょう。
30代に入ってリアルに恋愛する機会もなく、恋心を抱いたのはアイドルNくんだけという昌枝さんは、握手会で触れた手のぬくもりにドキドキし、テレビやコンサートなどで向けてくれる笑顔に癒されてきたのでしょう。
しかし、当のアイドルNくんは、昌枝さんがこんなに好きなのに、昌枝さんの存在すら知らないのです。
私は、昌枝さんに言いました。
「Nくん、確かに素敵ですよね。でも、本気で婚活をするなら、婚活期間中はNくんよりもリアルに男性に出会っていくことを優先させませましょうね。
それに、Nくんのルックスや才能を持つ人をお見合い相手に望んでも、そんな男性はまずいない。また、これまでNくんに抱いていた気持ちをそのまま現実の恋愛にシフトしても、お付き合いはうまくいきませんよ」
恋愛をすれば楽しいことばかりではありません。喧嘩して腹を立てたり、相手から傷つくことを言われて落ち込んだり、時にはフラれたりと、喜怒哀楽の感情が伴います。
しかし、アイドルを好きになるときは、気持ちを一方的に捧げるだけ。いわゆる疑似恋愛です。そこには言葉や気持ちのキャッチボールはありません。
結婚したら、彼女と一緒にコンサートに行きたい
美江さん(65歳、仮名)が、婚活相談にやってきました。ご自身の婚活ではなく、35歳になる息子の豊さん(仮名)の相談。IT企業に勤め、年収は700万円と悪くないのですが、彼女もいない様子。そんな息子がいつになったら結婚できるのか、心配でたまらないようでした。
美江さんは、私に言いました。
「会社が男ばかりで独身が多く、遊び仲間が大勢いるんです。飲み歩いたり、旅行に行ったり、遊び仲間が誰も結婚しないから、のんびり構えているんですよ。お見合いをすれば、少しは結婚する気になるのではないかと思うのです」
月会費などは豊さんの代わりに美江さんが払うとのことでした。
サイトに登録すると年収もよかったので、お申し込みもいくつかかかったのですが、申し込まれたお見合いを全く受けようとしませんでした。また、ご本人からお申し込みをすることもありませんでした。