'20年に行われる東京オリンピックの委員になっている海老蔵さんは、開会式への出演は決定的といわれています。

 それには、歌舞伎界でナンバーワンの名跡である團十郎でなくてはならないのです。成田屋の襲名となれば、全国にいるご贔屓筋への挨拶や準備などに1年はかかる。そこから逆算すると、あの日の発表となったのでしょうね」(スポーツ紙記者)

 開会式は'20年7月24日に行われるが、歌舞伎座での襲名興行は7月20日に終わる予定。オリンピック出演へ抜かりない日程がすでに組まれている。

「総合演出に狂言師の野村萬斎さんが就任しましたが、それは2人の特別ゲストを出演させるためといわれています。ひとりは同じ古典芸能の市川團十郎さん。そしてもうひとりが、萬斎さんが演じた『陰陽師』を舞って、2大会連続金メダリストとなった羽生結弦選手なんです。開会式の目玉はこの2人の共演となるでしょうね」(同・スポーツ紙記者)

 さらに、この時期の襲名発表は成田屋の事情も見え隠れする。

「麻央さんが亡くなったことで、勸玄くんなどの子どもたちの生活面のフォローは麻央さんのお母さんがしています。

 ご贔屓筋への対応などの歌舞伎面を支えるのは、海老蔵さんの母親である堀越希実子さんが担当することになったのです。

 襲名興行となれば当然、彼女の負担は大きなものとなる。ならば、彼女が元気なうちに襲名興行をしたいと考えるのは当然でしょうね」(梨園関係者)

 そして、もっとも大きいのは、勧進元である松竹が弾いた“ソロバン”だ。歌舞伎は襲名で儲けるといわれるが、今回はケタ違いの大金が動くのだ。

先代が行った『團十郎襲名興行』は30億円ともいわれるお金が動きましたが、今回の襲名では100億円のお金が動きますよ。その大きな要因のひとつが勸玄くん。彼はもうスターですよ。

 出て来ただけで輝きがあり、微笑むだけで温かい空気が流れますからね。もしかすると、今回の襲名興行は、新之助のほうに注目が集まってしまうかもしれません。海老蔵さん自身も勸玄くんの人気には舌を巻いているんじゃないですか」(歌舞伎研究家の喜熨斗勝氏)

 現在行われている『初春歌舞伎』は、チケット売り出しと同時にほぼ完売。それは海老蔵だけでなく、共演する勸玄くんや麗禾ちゃんの存在も大きい。