今後、藍里が「教祖」になれそうな分野
2017年に日経新聞が、化粧品に使う家庭の支出額が婦人服の支出を上回ったと報じたことがあります。ファストファッションのメーカーに人気が集まったことが理由の1つにあげられていましたが、私はSNSとの関係もあるのではないかと思うのです。自撮りをするときに、“映える顔”にするために化粧品に重きを置く人が増えたのではないでしょうか。
今は一般人でも芸能人よりも多くのフォロワーを持ち、そこからテレビに出る人もいます。そういう人がテレビでウケるかというと、そうとも限らないようです。
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に有名ユーチューバー、ヒカキン氏が出演したときのこと。ほかの芸能人と連携し、ボケとつっこみをしながら話を進めていくのが苦手だという印象を受けました。それは当然のことで、周りと大人の力学をふまえたうえで絡むのがテレビ、原則的に自分で企画し、出演と編集をこなすのがSNSという両者の違いがあらわれたと言えるのではないでしょうか。
藍里も他人と絡まず、ひとりの世界で自分を演出するSNS有名人のほうが向いていると思うのです。
藍里ほどのバッシングではないにせよ、SNSの普及で他人と比べることが増え、または「いいね!」がつかないことで、自分の容姿に自信が持てない若い女性はますます増えていくでしょう。そういった女性の教祖になれる要素を、彼女は持っているのではないでしょうか。企業がフォロワーの多い人を商品のPRのために起用することは増えていますから、狙い目です。すでに知名度とキャラクターを持っている彼女はかなり有利でしょう。
SNSや芸能界に限らず、「自分はこの分野でやっていく、この分野が大好き」。そう胸を張って言える何かを藍里が見つけられたら、仮に収入や実績が及ばなくても「有村架純の姉」という呪いは解けるのではないでしょうか。間違っても、「もうちょっと鼻が……」などといったヤバい方向に発想がいかないことを、祈るばかりです。
プロフィール
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」。