障がい者のリアル
制作にあたっては原作のモデルになった、1級建築士の阿部一雄さんはじめ実際に車イス生活を送る方の話を聞いたり、リハビリ施設などに取材を重ねた。劇中に出てくる樹の排泄障がい、障がい者に対する偏見などもリアルで、松坂が迫真の演技を見せている。
「ラブストーリーを主軸に、意外と知られていない車イスの方々の実情や人間関係、当事者や周りの人たちとの考え方の違いや思いを丁寧に描写しています。
つぐみの父親(松重豊)は樹との付き合いに反対しますが、それは年ごろのお子さんのいる障がい者の親御さんの意見を参考にしました。それぞれの立場で言い分や思いもあり、誰しも間違っていないんです。自分ならどうする、どう思うかを考えながらご覧いただけたらと思います」
樹とつぐみは“奇跡の再会”を果たし、お互いにひかれていくが、その一方で、つぐみに一途な幼なじみの是枝洋貴(瀬戸康史)、樹への思いをこじらせぎみの介護ヘルパーの長沢葵(中村ゆり)らがそれぞれの思いで動き出し、ふたりの恋を阻むことに。
「つぐみは介護の勉強を始めますが、長沢からのプレッシャーでかえって空回りするなど、樹への好意だけでは突っ走れない現実を知るようになります。
ラブストーリーですが、キュンキュンするというよりは、切なく胸に迫る感じ。樹とつぐみが純粋な気持ちで、さまざまな困難を乗り越えながら幸せに向かっていく姿にご注目ください。
また、ふたりの恋だけでなく、ほかにも恋愛模様をちりばめているので、そちらもお楽しみに」
ドラマのキャッチコピーは“いつかこのドラマがありふれたラブストーリーになりますように。”。そしてタイトルの“パーフェクトワールド”とは、どんな世界なのか? 樹とつぐみが織り成す恋愛模様に、その答えが見えるはず。
原作は完結していないけれど、ふたりがどんな“ハッピーエンド”を迎えるのか、オリジナルのラストにも注目したい。
■撮影現場の癒し犬
樹が飼い始めた子犬のチャコ。茶色いフワフワの毛が可愛い柴犬で、犬好きの松坂、山本らが空き時間にも可愛がっているという。「撮影開始当初は、まだ名前がついていなかったんですが、いろいろ考えた候補のなかから松坂さんと山本さんが、毛色から“チャコ”という名前を選びました」(河西P)
■原作以上の存在感に
瀬戸康史が演じるメガネ男子の洋貴は原作にも登場するが、ドラマ版ではオリジナル要素も。
「原作では同級生ですが、今作では幼なじみで家族ぐるみの付き合いという設定を加えて、キャラクターを膨らませています。10年以上も一途につぐみを思う気持ちは切なく、視聴者の方は応援したくなるかもしれません。樹とつぐみのラブストーリーのキーパーソンで当て馬のような洋貴には、樹以上にファンがつくかもしれません!」(河西P)