ラーメン小袋のせいで
大物が育たない!?
ラーメンについては、行動学と即席ラーメン誕生60周年という2つのテーマで、巻頭と巻末を飾っている。その中で、自ら“インスタントラーメンの生き証人”を名乗る東海林さんが由々しき問題とするのが、スープや薬味の小袋だ。
「あれは何とかならないかね。なかなか開けられないし、突然ブチッと切れて中身が飛び出るし、3袋ぐらいあって先に入れろとか最後にのせろとかややこしいし。あの小袋をチマチマとちぎって中身を入れてるから、日本ではみんな人間が小さくなって西郷隆盛みたいな大物が出てこなくなっちゃった(笑)」
また、よくチェーン店も利用しているそうで、ライターと“チェーン店”道に花を咲かせる対談も。東海林さんが好きな日高屋、吉野家などは2年ほど前から“ちょい飲み”メニューが登場して、変化が見られるそうだ。と、あれれ? この対談で東海林さんは“ちょい飲み”していると語っているが、確か禁酒していたのでは?
「酒の飲みすぎで肝臓がんになって、手術してから5年たつので寛解ってところです。もうビールぐらいは飲みますよ。本当は飲んじゃいけなくて、定期検診で病院に行くと、先生がまず僕の両肩をつかんで揺らしながら『飲んでないでしょうね!』と聞くので、『はい』って答えてます(笑)。以前よりずっと量は少なくなったから、比べたら飲んでいないようなものです」
飄々と語る様子は、ファンにとって東海林さんらしいと思う反面、やはり身体を大切にと願って複雑な気持ちになるのでは!?
そんな東海林さんが、近いうちに連載のテーマにしようとねらっているのが、毎月、全国紙の新聞一面に広告を出している「月刊住職」という雑誌である。
「目次を見ると、寺の跡継ぎ問題や樹木葬や散骨の発展ぶり、寄せ書きするお棺の流行とか、現代のお寺の現状がすごくよくわかる内容なんですよ」
たとえそんな広告を見たとしても、われわれ多くの一般人はスルーしてしまう。
「小さな子どもは『なんで、なんで?』と面白がるのに、大人になると、みんな実利以外のことに興味をもたなくなるんだよね。でも、いくつになっても、どんなことでも気持ちがあれば、面白がれる。『好奇心を持て!』ですよ」
と、最後はエールを送ってもらった。
ライターは見た! 著者の素顔
最近、生ハムを“原木”で購入し(5万円也!)、台座と専用ナイフも用意して、お仲間を集めたパーティーでお披露目しているそう。「まだまだ残ってるよ」と気前よく、私たちにも振る舞ってくださいました。「厚く切るとかつお節みたいでおいしくない」と言いつつ、器用にスライス。「ビールもあるよ(小声)」……うれしさも相まって、つい1杯飲みたくなる極上のお味でした!!
(取材・文/宮下二葉)