現役で吉本に所属する中堅芸人が、匿名を条件にその“実態”を話してくれた。
賞レースで上位に食い込んだこともある彼だが、吉本を通した“正規”の仕事は少なく、闇営業を頼りに生きている。
「マネージャー1人で100人くらいを担当してて、仕事の案件があると、グループLINEで“こんな仕事がある”と伝えられるだけ。“100メートル10秒台で走れる人”という条件の仕事がLINEに投げられたりもして。もし、そんなすごい能力のある芸人がいるなら把握しておいてほしいですよ(苦笑)」
会見で岡本社長が話したギャラの実態については、
「9対1ですよ。9・5対0・5とかも聞きます。しかも、それをコンビで分けたり。それ、もう何対何なんだよって」
それほどまでに待遇が悪くても、「払われるだけマシ」という現状があるという。
「ごまかしているのか忘れているのか……振り込みがないことなんてよくありますよ。マネージャーに聞くと“経理に確認します”と言うんだけど、返答はめちゃくちゃ遅い。2年前のギャラが急に入ったりしますから。振り込みがないことを伝えたら、“あの仕事か? あれノーギャラやで”とか後で言われたりもしますからね」
売れていない芸人がこのように声を上げることについて、「嫌なら吉本を辞めればいい」という意見もある。
「嫌なら辞めろって言うけど、事務所が辞めさせないですからね。“辞めたら圧力かける”って言われた人もいっぱいいる。だから、やめたくてもやめられないという事情があることもわかってほしい」
かつて吉本に所属し、現在はフリーのお笑いコンビ『クレオパトラ』の長谷川優貴は、圧力の実態をツイッターで次のように記している。
《今後人前に出ないでください。俳優でも音楽でも全部ダメです。もし人前に出るなら圧力かけます。と言われた》
闇営業で解雇、楽しんごの言い分
吉本を辞めた芸人は、いま何を思うのだろうか。
「僕は自分の会社を作ってマッサージの仕事とかやってたので、吉本を解雇されても痛くもかゆくもないんです」
そう話すのは、闇営業が原因で3月末に吉本から解雇された楽しんご。彼が吉本に所属するきっかけは、’10年に出演したネタ番組『あらびき団』(TBS系)でのブレイク。
「“ドドスコスコスコ、ラブ注入”ってやったら、次の日からヤベーなってくらい仕事が来ちゃって。それで吉本から“来ないか”と誘われたんです」
しかし、ブレイク後の’13年、本人が「痴話ゲンカだった」と話す元カレへの暴行疑惑でテレビから姿を消す。