「お見合い後のデートは食事ではなく、お茶!」

 徹哉さん(38歳、仮名)は、週末にお見合いをした敏恵さん(35歳、仮名)と交際に入りました。

 結婚相談所でのお見合いは、個人情報をダダ漏れさせない観点から、お見合いの場での双方連絡先交換は、禁止とされています。お互いが相談室に“交際希望”を伝え、そこで初めて連絡先の交換となるのです。

 交際になったら、その日か翌日の21時に男性が女性へファーストコールをするというのが不文律です。

 徹哉さんは、交際になった翌日の21時に、敏恵さんにファーストコールをして、「今週末、食事に行きませんか?」とお誘いしました。

 すると、敏恵さんの答えは、こうでした。

「私はお見合いの後、初めてお会いするときは、ウイークデーの仕事終わりに、お茶をすると決めているんです」

「えっ? 仕事終わりにお茶ですか?」と聞き直した徹哉さんに、敏恵さんは理路整然と言ったそうです。

「食事をしながら話をすると、話に集中できないですよね。あと結婚相談所では、食事やお茶代は男性が払うということになっているので、まだ本格的に付き合うかどうわからないお相手にお金を出させるのは、申し訳ないですから」

 そして、水曜日の仕事終わりの19時30分から、都内のコーヒー専門店でお茶をすることになったのでした。

 徹哉さんは、私に言いました。

「定時に会社を上がることにしていたのですが、19時30分からお茶だとお腹がすいてしまう。かといってどこかに入って食事をする時間もない。昼休みにコンビニで、サンドイッチとおにぎりを買っておいて、会社でそれを食べてから、待ち合わせ場所の喫茶店に向かいましたよ」

 男性に気を遣わせないための提案だと、敏恵さんは考えていたようですが、お茶に限定されるなら、夕食時だし一緒に食事を楽しみたかったと、徹哉さんは思ったそうです。