恐竜のロマンス劇場
「カーン」という恐竜のオス、メス2体の化石が展示されているのだが、これは日本初公開の“化石界のロミオとジュリエット”と呼ばれるカップル。
なぜ、そう呼ばれているかというと採掘時、わずか20cmの距離で寄り添うようにして発見されたのだ。恐竜にもそんなロマンチックな感情があったの!?
「砂嵐のようなものに巻き込まれて、一緒に死んでしまったのではないかと言われています。生前の関係はわからないのですが(笑)、一緒に死んでしまったことは事実」
“2人”が本当に愛し合っていたかはカーンのみぞ知るところだが、太古に非業の死を遂げた1対の恐竜を、7500万年もの時を超えてお目にかかれるだけでもロマンチック! そこに愛があったと信じたい!
また鳥類の祖先であることを考えれば、翼を使っての求愛をはじめとして、愛を語り合っていたのかもしれない。
ロミオとジュリエットの距離を見ていると、そんな妄想が止まらなくなりそう。
もちろん、イクメン恐竜やロマンチスト恐竜以外にも、恐竜博には歴史を塗り替えるような貴重な恐竜たちも集う。
中でも、本展で世界初公開となる、“恐ろしい手”を意味する「デイノケイルス」の全身復元骨格は圧巻。
特徴的な前あしの長さだけで2・4m(!!)とあって、ひと飲みならぬひとつかみされそうな特大インパクト!
さぞかし“暴君”ティラノサウルスにも負けず劣らず、と思いきや草食傾向の強い雑食性だったというから、これまた“大男なのに食が細い”みたいなギャップが。
恐竜にもいろんなタイプがいるんだな~。