マンション売り主の責任が問われれば、損害が補償されることもあるのではないか。48階建てタワマンの場合、水害対策の止水板が設置されていなかったことが被害につながったとも言われている。
「今回は、これまで生活していて問題なかったのに、こうした事態になって初めてわかったと考えられます。以前に台風被害があったにもかかわらず放置していたのであれば、責任が問われる可能性は高いです。ただ、今回のような被害が出ることを事前に想定していなかった場合、改めて落ち度を問うのは難しいと思います」(洲浜氏)
48階建てタワマンの売り主の三井不動産に停電の原因について問い合わせると、
「分譲をしたのは私どもですが、お客様の資産に関することなので答えられません」
とのことだった。
安全が保障されれば、資産価値が元に戻る可能性
下がってしまった資産価値が回復するには、どのくらいの期間がかかるのだろう。
「また台風で被害に遭えば、悪いイメージが定着してしまいます。各マンションが早々に対策し、自治体の治水事業と連携して安心安全をアピールすれば、4〜5年かけて需要は回復するでしょう」(玉井氏)
'11年3月に起きた東日本大震災で『新浦安』や『幕張エリア』は地盤が液状化したことで不安を招いたが、現在では需要が戻っているという。住人の対応も重要だ。
「管理会社や管理組合が今の状況を放置せず、いかに速やかに対応していくかが大切です。“こういうふうにお金をかけて直した”と説明しなければなりません。売り主である不動産会社にかけ合うなどして、安全が保障されれば、資産価値が元に戻る可能性が出てくるでしょう」(洲浜氏)
セレブなタワーマンションの輝きが戻るのは、いつになるのか……。