芸能界の第一線で活躍していた2人だが、ともにうつ病を抱えていたことが明らかになっており、結果的に自殺という極端な選択をしたことに、韓国国内はもちろん、世界中のK-POPファンの間でも大きな動揺が広まっている。なぜ、このような悲しい出来事が繰り返されてしまうのだろうか。
「アクセス数稼ぎ」のゴシップを求めて
そもそも韓国は自殺率の高い国で、今年9月に韓国の統計庁が発表した『2018年死亡原因統計』によると、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は前年より9・5%増の26・6人。日本、アメリカなどを含むOECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、もっとも高い数値だ。そういった“素地”に加え、近年、アイドルを中心とした芸能人を精神的に苦しめているのが、韓国特有のネット文化。
政府主導でインターネット整備を早くから進めた韓国では、大小さまざまなニュースサイトが乱立しており、アクセス数を稼ぐために他社より早く、そして他社より刺激的な記事を書くのが鉄則。芸能人のニュースには特にその傾向があり、担当記者は芸能人のSNSを四六時中チェックしている。
私生活をあけっぴろげに公開していたソルリさんのSNSは格好の“ネタ元”で、ブラジャーをつけていなかっただけの何気ない日常写真も、「ノーブラで奇行」といったように、過激なタイトルをつけて記事化。他社もそれに続けとばかり、“コピー&ペースト”のような記事を増産し、あっという間に韓国国内はもちろん、世界中に拡散される現象が常態化している。
ソルリさんが長年、ネットユーザーが書き込んだ悪質コメントに苦しめられていたことが、いま改めて大きな論争を呼んでいるが、韓国の日刊紙『ハンギョレ新聞』は、「クリック商売に出たマスコミが先頭に立ち、“悪質コメント群”がこれに続き、悪循環をあおった結果だ」という専門家のコメントを紹介。「マスコミからまず自浄すべき」という指摘を掲載した。