【iDeCoとつみたてNISAの比較】
●iDeCo
・利用できる人:20歳以上60歳未満
・年間投資上限額:14万4000~81万6000円
(職業、加入している年金の制度により異なる)
・取り扱い商品:投資信託、定期預金、保険など
・税制優遇:掛け金は全額所得控除、運用益は非課税、受け取り時も税の優遇あり
・運用期間:60歳まで(10年間延長可能)
・資金の引き出し:60歳まで原則不可
●つみたてNISA
・利用できる人:20歳以上
・年間投資上限額:40万円
・取り扱い商品:金融庁が認めた積み立て型の投資信託
・税制優遇:運用益は非課税
・運用期間:20年
・資金の引き出し:いつでもOK(非課税額枠の再利用は不可)
iDeCoや、つみたてNISAを始めるには?
「それぞれ、専用口座を開設します。証券会社や銀行などさまざまな金融機関で扱っています。楽天証券やSBI証券などのネット証券は、手数料が安くてオススメです」
とは山崎さん。申し込み用紙が届いたら、必要事項を記入し、本人確認書類などとともに送付する。
「つみたてNISA口座は2週間くらい、iDeCo口座は2か月くらいかかる場合もあります」
口座開設後は、運用商品を選び、買いつけていく。
その選び方とは?
老後の安心のため投資にトライを
「老後資金として2000万円を作りたいなら、定期預金や保険では叶わないと思ってください」
とは山口さん。定期預金に7%もの金利がついていたのはバブル時代の話。
「今は0・01%ですよ? 考え方が昭和のままでは、お金は増えていきません。令和には令和の増やし方にアップデートを!」
そんな山口さんは、約11年前に夫婦でiDeCoを始め、毎月約8万8000円投資信託で積み立てた。結果、約1300万円の掛け金を約2150万円に増やしている。垂涎の利益は約850万円!
「定期預金なら約5800円しか増えませんでした。どっちがいいですか?」
そりゃ850万円の利益だけど、投資ってなんだかコワイし、下がって損しそうだし……。
「コワイのは正体がわからないからでは? そして、値動きは株でも投資信託でももちろんします。スーパーの野菜の値段が上下するのと、究極は同じです。投資信託の中身は、いろんな会社の株式や債券など。日本や世界のいろんな会社が、世の中を便利にしようと新たなサービスやものを生み出しています。投資とは、成長する世の中にお金を預け、そこでお金を成長させること。ギャンブルではありません」
山崎さんは、値上がり・値下がりのある商品への投資についてこう話す。
「一時的に投資金額の3分の1くらい目減りする可能性があります。同時に、4割くらい儲かる可能性があります。そんな凸凹を広く平均すると、約5%の利回りになると金融の世界では考えられています」
つまり、100万円が1年で105万円になる可能性がわりと高いという。
「お金は増える可能性のある場所に置くのが鉄則。中でも分散投資ができる投資信託がオススメ。1円も損したくない人は、個人向け国債(変動金利型10年満期)ですね。定期預金よりは利率がよく、購入後1年経過すれば、いつでも解約できます」