10月に施行された増税。少子高齢化、財政破綻による年金制度への不安。そして、老後に必要な資金は2000万円との試算。
お金に関する不安がつきない昨今において、各家庭で、いま改めて見直したいシステムが家計簿だ。今回は、つける手間を極限まで省き、なおかつ「家計の現状把握」しかできない家計簿から、「つけるだけで貯まる家計簿」に変身させる家計簿術をご紹介したい。
「つけるだけで貯まる家計簿」を提唱しているのは、『1日1行!あきのズボラ家計簿』(KKベストセラーズ)をはじめ、多くの著書を上梓(じょうし)し、家計簿に関するエキスパートでもあるあきさんだ。
「私の家計簿は将来に不安を抱いている人はもちろん、今まで家計簿をつけてきた人に、より刺さると思います。現に私も、貯められない家計簿を14年つけていました。ただ、子どもの出産などによる自身の働き方の変化、また将来の学費などを考えると本当に貯金しなければ! という必然性に迫られ、その14年のデータをもとにして、どうすればお金が貯まるのか、いろいろと研究をしてみたのです」
そうして生まれた、1日1行だけ書き込めばいい、あき流の簡単かつ貯まる家計簿が、今評判を呼んでいる。
貯まる家計簿を実現するには
このお金は何に使ったのかを、どこの枠で管理し、そして予算を立てれば、グッと家計管理がしやすく、貯まる家計簿になると語るあきさん。
「いかに出費を減らすかしか考えず、節約のことしか考えられなくなる家計簿は、機能していない、ダメな家計簿だと私は思っています。予算がしっかり決まれば、そこまで“使っていいお金”としての認識が高まるので、なんでもかんでも我慢、使わないようにしなければ、といった負の考え方はしなくなり、ストレスが軽減されます」
何に使っているかわからない、知らないうちにお金がなくなるという、ダラダラとしたお金の使い方は、いちばんムダな使い方。そんな、お金が知らないうちになくなっていくという喪失感から、具体的に何にどれぐらいお金を使っていいのか、と把握できるようになると、お金への意識、考え方が変わるのだそう。
ということは、家計簿の初段階の存在意義は、まず、予算を把握するための記録でなければならない。では、そうするためには、どう記入し、管理したらいいのか。