急にピンクのミニワンピ
40代後半で定職に就かずぶらぶらしているのは不思議がられていた。一方、70代の父親は毎日、早朝に出勤して夜7~8時ごろ帰宅するなどフル勤務生活とみられ、母親は毎日、午前中にバスに乗って買い物に出かけるのが日課だった。
哲史容疑者はグレー系の作業服姿で自転車に乗っていたこともあり、ひところは「仕事が見つかったのかな?」と安心する住民も。身長170センチ以上のがっちりした体格で、長髪を野武士のチョンマゲのように後ろで束ね、夏場はTシャツにジーパンなどラフな格好が多かった。少なくとも、周辺住民とのトラブルはなかったはずだという。
「それが今年6月ごろから、急に女装するようになったんです。鮮やかなピンク色のミニのワンピースを着たり、花柄のノースリーブのシャツだったり」(近所の主婦)
周辺住民が驚いたのは服装だけではなかった。
「髪の毛はシンクロ(アーティスティックスイミング)の選手のように頭の上でお団子にまとめ、にこやかな表情であっちこっちをウロウロ。女装をとがめるつもりはありませんが、困ったのは小・中学生の女の子らに声をかけたりして怖がらせるんです」(同)
本人には怖がらせる意図はなかったかもしれない。
しかし、女装したがっちり体形のおじさんから唐突に、
「お嬢ちゃん、かわいいね」
と声をかけられた女児がすくみあがったであろうことは容易に想像がつく。女児の保護者は登下校時に付き添うようになった。
周辺住民らによると、女子中学生を追いかけたり、手を握ってくることもあった。犬の散歩をしていた年配の女性に「触らせて」と迫り、女性に対してかと思って身構えたら犬目的だったということも。
さらに、若い母親に向け、
「奥さん、きれいだね」
と投げキッスをしたこともあったという。