シャギーは髪の毛を削るだけ、ロングヘアなら全治3年
20年ほど前から日本で多く取り入れられ主流になったシャギーカット。'00年放映のドラマ『ビューティフルライフ』でも注目を浴び、広く知られた。しかし、MAYUMIさんは
「シャギーカットは傷みの原因です!」
とバッサリ。
「パフォーマンス的にも見栄えがいいので、シャギーカットをする美容師が増えてしまったようです」
実は、このシャギーカットはキューティクルを傷める大きな原因。キューティクルは反りかえっており削ぐとバサバサになるのだ。
「削ぐ=髪の表面をえぐるということと同じです。髪の毛の断面が傷み、ツヤが失われ、美しいシルエットが作れなくなります」
欧米人と日本人では、骨格や毛髪量だけでなく、キューティクルの形も異なる。このため日本人にシャギーカットをしてしまうと、より髪を傷つけてツヤを損ない、パサついて広がるというデメリットが。
そしてシャギーを多用する美容師ほど、カット後のセットが上手という“業界あるある”も。サロン帰りにはきれいでも、翌日には崩れて思いどおりの髪型にならないのは、まさにこのパターン。切られた本人がシャギーカットをされたことに気づいていないケースも多いそうだ。
MAYUMIさんの技法では、髪を削がずに毛先まで太さを保って切り口が流線形になるようカットする。このため、手触りがなめらかでツヤも保てる。
「シャギーで1度削がれた髪の毛は、切り落とすしかない。そういうお客様には、“ショートは全治1年、ミディアムで全治2年、ロングだと全治3年”だとお伝えしていますね。つまり、美髪に戻すまでに、これほど時間が必要なのです」
新しい美容室に行く際にはカウンセリングのみ、もしくはシャンプー&ブローのみにして“シャギーを入れる美容師かどうか”下見する。また、カットのときは雑誌ではなく鏡で美容師の手元を見る……などして、シャギーを入れられない努力をすべし!