ハゲにも寛大な社会を目指して
自らのハゲを個性ととらえ、前向きな姿勢でハゲと向き合う小豆さん。さらにハゲの認知度アップと本人たちが楽しむことをモットーに活動を続けるハゲプロ……。昨年にはイギリスの脱毛症団体のフラッシュモブを参考にしたパフォーマンスを見事、実現。そして11月17日のデザインフェスタでは、シンデレラをテーマにした面白系舞台を披露する予定だ。しかし、ここでまさかの問題勃発!
「今回の舞台が注目されてから、団体のSNSがプチ炎上しまして……」
団体名のハゲという名称と、ハゲを面白おかしく表現している内容が同じ病気を持つ一部の人々の怒りを買ってしまったという。
「ハゲという言葉はパワーワードで、ネットではバズりやすい。その反面、ネガティブな意味合いが強すぎる言葉。ハゲに変わる“LGBT”のような、差別を含まない新たな用語を作り出せるといいんですが」
ハゲであることを消化できない、悩める人が多いのも事実。その人たちを傷つけるつもりは毛頭ないので、今後の団体名については、再検討をする予定だという。
ハゲが社会的地位を獲得するにはまだまだ時間と経験が必要。それでもいつか、ハゲでも街を堂々と闊歩できるような寛大な社会になれば……と、小豆さんは大きな野望を抱いている。
「先にお話ししたハゲ割ですが、実は活用したのって私だけだったんです。カミングアウトのハードルはやっぱり高いなぁって思いました。誰にも言えずに悩む人も多い。全員がカミングアウトをする必要はないけれど、隠さなければいけない恥ずかしい病気ではないことを、同じ立場の人にわかってもらえたらうれしいですね」
《PROFILE》
こまめ・だるま。重症の円形脱毛症で髪がないカツラ漫画家。5歳になる娘のトコちゃんと最近、円形脱毛症デビューを果たした旦那のパーマとの日常を描いた『トコちゃんとてるてる母さん』を2017年より連載中。