その手作りの草だんごは、食事と一緒であれば店内で食べられるが、食事をしない場合は持ち帰りのみ。1折り600円で、ビッシリ並んだだんごの上に粒とこし、2種類のあんこがたっぷりとのっていて、お得な気分を感じられる。亮太さんいわく、

ここのだんごは本物なので、翌日には固くなる。でもそれをお湯で溶いてお汁粉にすると、またうまいんです

 とのこと。まさに1粒で2度おいしい逸品だ。

大事な思い出を振り返る場所

 ところで、蛾次郎さんがいまは亡き妻の和子さんと結婚する際、山田監督をはじめ、共演者やスタッフに紹介したのも大和家だった。

大和家 撮影/近藤陽介
大和家 撮影/近藤陽介

日ごろの礼も兼ねて、みんなに天丼をごちそうして、彼女に勘定を頼んだら、監督に“女に払わせるもんじゃない”とピシャリ。ま、実はオレが払ってんだけれどね。監督ってちゃんと見ているよね、仲人もやってもらいましたよ!」

 と感謝の気持ちをのぞかせる。店の壁には、寅さんシリーズの各作品の写真がたくさん飾られている。日に焼けて、中にはほとんど何が写っているか見えないものも。

2人は50年来の仲よしコンビ♪ 撮影/近藤陽介
2人は50年来の仲よしコンビ♪ 撮影/近藤陽介

もうはずそうかと思うのだけど、お客さんがこの写真を見て、母ちゃんとあそこに旅行した年の作品だ、ばあちゃんが亡くなった年のだって、自分たちの出来事の記念碑みたいに語っているんですよ。だからそのまま

 と、忠雄さん。大和家には、寅さんを愛する人たちの大事な思い出がたくさん詰まっている。