執行猶予中でも海外渡航は可能
同情すべき過去があったにせよ、罪を犯した彼女はこのまま女優業を引退することになるのだろうか。とある芸能プロ関係者はフェードアウトを真っ向から否定する。
「“女優復帰を考えていない”というのは、裁判官の心証をよくするための発言なのではないでしょうか。芸能活動をどうするかは現状、白紙だと思いますが、エイベックスの担当者は彼女と密に連絡をとりあっているといいます。芸能界復帰までバックアップしていくはずですよ」
似たような例では、'09年に覚せい剤取締法違反で有罪になった酒井法子も、裁判では芸能界引退を宣言していた。
「酒井さんは初公判で“介護の仕事を前向きに勉強したい”と語っていましたが、'12年に執行猶予が明けると復帰会見を行い、現在では芸能事務所に所属してコンサートや舞台で活躍しています。昨年、コカインで逮捕されたピエール瀧さんも、最近では俳優活動再開に向けて動きだしていますね」(同・芸能プロ関係者)
そもそも沢尻には以前にも1度、引退騒ぎがあった。
「'09年9月30日にそれまで所属していたスターダストプロモーションとの専属契約が解消され、芸能活動を休止しました。当時の夫でハイパーメディアクリエイターの高城剛さんと海外に長期滞在し、そのまま引退かと言われていましたね」(前出・スポーツ紙記者)
しかし、スペインに個人事務所を設立して芸能活動を再開し、女優として活動の幅をこれまで以上に広げていった。
芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は、沢尻の今後についてこう語る。
「沢尻さんが降板した『麒麟がくる』の代役は川口春奈さん。彼女が演じている織田信長の正妻“帰蝶”はもちろん素晴らしいのですが、沢尻さんだったらどんな“帰蝶”を演じたんだろうと惜しむ声があるのも事実です。彼女には女優として“華”があり、制作側に“絶対起用したい!”と思わせる魅力があるんです。尊大だと思われていますが、実際に会ってみると、その可愛らしさに魅了されてしまうんですね」
熱望される沢尻だが、前科があればスポンサーが関わるコンテンツでの起用は難しい。
「彼女は絶対に戻ってくると思います。エイベックスとしても、実績と人気を考えればこのまま引退させるのは惜しいと考えるはず。国内での活動が難しければ、キャリアアップも兼ねて間口が広いハリウッドがいいんじゃないでしょうか」(佐々木氏)
今回の公判で検察側は沢尻に懲役1年6か月を求刑している。2月6日にどのような判決が出るのかを『弁護士法人・響』の西川研一代表弁護士に聞いた。
「検察側の求刑は長すぎず、短すぎずで妥当です。過去の判例にのっとれば、沢尻さんには懲役1年6か月、執行猶予3年がつくと思われます」
執行猶予がついた場合、海外での芸能活動は可能なのか。
「執行猶予中でも海外に渡航することは可能です。ただ、国によっては前科があることで入国が制限される場合があります。アメリカの場合は犯罪歴などの申請が必要で、その内容によってはビザが発給されず、入国ができないこともあります。ただ、そういった入国のサポートをしてくれる法律事務所などもありますね」(西川弁護士)
海外への挑戦が選択肢として選べる以上、あとは彼女の決断次第となる。
「多くの方を裏切り、傷つけました。その代償はあまりに大きく、復帰を語る資格はないと思っています」
法廷では神妙な表情でこう語った沢尻だが、これまでも傷つくたびに立ち上がってきた。再び“エリカがくる”日は訪れるのか──。