週刊女性は昨年10月、東京・大田区でサドル159個を盗んだ男の事件も報じたが、独特な嗜好があったのだろうか。
「盗品の大半は女性用のママチャリや、電動アシスト自転車のサドルが多いそうです。男性用や、スポーツタイプの自転車のサドルはほとんどないようです。ポリ袋にくるんでいたのも几帳面だったからではなく、そのにおいを保存して嗅ぐためだったのではないかとみられています」(前出・記者)
寂しい思いをした幼少時代の影響か
冒頭の実兄に心当たりを尋ねると次のように話す。
「女性関係ですか? いや、弟はずっと独身ですが、ほとんど女性に興味は示さない、女っ気のないやつでしたけど。いまでこそ180センチ、83キロと図体はでかいですが、昔からおとなしくて、内向的で、人付き合いが苦手だから、友達もほとんどいない根暗な感じでした。酒も瓶ビール1本程度しか飲まないしタバコも吸わないですから」
兄の目に映っていた唯一の楽しみは通販だったという。
「青汁、サプリメントや健康飲料、水、冷凍食品を着払いで次々と注文していました。結局、親父が払うんですけど」
長距離トラックの運転手としてある程度の収入はあったはずだが、長年の倉庫代に消えていたのだろうか─。
広昭容疑者の家族は60年近く前に、現在の沼津の家に引っ越してきて、父は会社員、母は専業主婦の家庭で、兄が小学校へ入るころに、容疑者が生まれたという。
「弟が2、3歳のころ、母が脊髄に腫瘍ができる大病を患い、2年ほど東京などの病院に入院していたことがありました。まだ小さかった弟は山梨の母親の実家に預けられたことがあるんです。そのときに寂しい思いをしたことが、のちの弟の性格に影響したのかもしれません」
兄弟は7歳離れていたので、昔から一緒に遊んだ記憶も、きちんと会話した記憶もないとか。
容疑者が小学校6年になるころに、兄は家を出て東京の会社に就職。以来、30年近くは別々の生活だったという。
「そのころは盆も正月もほとんど帰省しませんでしたし、弟に土産やおもちゃなどを買ってきたこともなかった」