「現役時代とは、まったく違う立場のコーチは、とても面白いですが、難しいと感じています」
こう語るのは、ソチ五輪フィギュアスケート団体金メダリストのユリア・リプニツカヤ(21)。
「コーチ」としての難しさ
代名詞“キャンドル・スピン”に象徴される柔軟性と高いスケーティング技術で、世界を魅了した15歳の少女は、ケガの影響などもあって19歳で現役を引退。
その後は、フィギュアスケート養成機関『アカデミー・オブ・チャンピオンズ イリニフ-リプニツカヤ』を設立、指導者としてロシアをはじめ日本、ノルウェー、ルーマニア、メキシコなど世界各国を訪れて、教えている。
昨年に続いて、フィギュアスケート教室のために来日。東京、大阪で指導したほか、福島でチャリティーイベントを開催し、忙しい合間を縫ってインタビューに応じた。
選手時代との違いについては、こう語る。
「選手のときは、ジャンプやスピンといった技をひたすら練習して、コーチやトレーナーの指示を遂行することが大切でした。
教える立場というのは、技術を教えるだけでなく、いろんな選択肢を持っていなくてはいけない。そのうえで、技量のレベルや年齢といった違いなど、その人の状況によって、何が最適なのかを見極めて、指導することが重要だと思います」