免疫力がカギ
一方、アメリカ・ニュージャージー州でも、家族の集まりが原因で集団感染が発生。73歳の母親とその子ども3人が亡くなり、いずれも50代だったと報じられている。
「海外では20代の若者が亡くなった例もあるように、若い人でも死亡しています。もともと免疫力の弱まっている人が病気にかかりやすいため、持病がある人が新型コロナに感染しやすいのです」
そう説明するのは、東京・品川区にある感染症が専門の「KARADA内科クリニック」の佐藤昭裕院長。
「Aさんには、がんという免疫力を下げる基礎疾患があったので重篤化して、お若いのに亡くなったのだと思います。
末期がんのような持病がある患者さんは、最終的にその病で亡くなることもありますが、今回のようにウイルスの陽性で重症・重篤化している場合、肺炎が死因になることも少なくありません」(佐藤院長)
がん以外に、新型コロナで死に至る可能性がある疾患について佐藤院長が続ける。
「心不全のような心臓の疾患、高血圧、糖尿病、ぜんそくのような呼吸器に関わる疾患などが危険だといわれています」
Aさんのように肝臓がんを患っていながら飲食店を訪れ、ウイルスをばらまくという行為は論外。
しかし、高齢者でなくとも新型コロナに感染すれば死亡するケースはあるという教訓にはなった事件だった。
【識者PROFILE】
◎KARADA内科クリニック 佐藤昭裕院長
東京都品川区西五反田1-2-8 FUNDES五反田10階
電話……03-3495-0192