親のヘタレ体験が子どもの救いに!
Q3:成績はエクセルで管理して当然?
「明らかに間違い。×です。わが子の成績が落ちると、エクセルで勉強の計画表を作りだすお父さんがすごく多い。1セルを何分刻みにするかから熟考してみたり(笑)。
でも、子どもにしてみれば、自由を奪われたようにしか感じられません」
まるで部下や取引先のように子どもに接する「コンサル親」、「プレゼン親」は、“わが子はこうあるべき”という理想が高く、それを子どもに押しつける傾向が。特に高学歴の父親に多いとか。
「子どもは“ちょっと頑張ればなんとかできそう”と思えるものしか頑張れません。だから親も、“今より少しでもよくするには、どうすればいいか?”というところから考えないと。子どもの“ちょっと頑張ろう”と、親の“ちょっとよくしたい”とが重なるところを探すことが大切。それを踏まえて、もし計画表を作るなら親の愛情を感じさせる手書きで、お子さんと相談しながら作りましょう」
Q4:子どもを伸ばすにはヘタレな体験を語れ?
「そのとおり、○です! お父さんやお母さんも手痛い失敗をしたことがあるけれど、こうして克服したよ──。そんな話がベストです」
結局、失敗を克服できないで挫折してしまった経験も「それはそれでアリ」と、西村先生。親だって人間。うまくいかないのは自分だけじゃないとわかり、子どもにとって救いになる。それでも懸命に努力したことが伝われば、“失敗しても人生の終わりじゃないし、その経験から多くを学べる”という教育にもなるのだ。
最悪なのは、武勇伝、すなわち学生時代に自分がどれだけ優秀だったかを語る親。
「“親である私がこれだけデキたんだから、おまえもデキる”と言われても、子どもは自慢話としか受け取れません。未来は変わりうるということを経験的に知りませんから、“優秀な親と、そうでない自分”という現在の位置づけで物事をとらえてしまう。“どうせ自分は……”となり、励ましにはならないのです」