世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。外出自粛によって在宅勤務や休校になり、家族といる時間が増えました。ところが、いっしょにいる時間が増えたことで、夫婦の喧嘩が増えたり、パートナーからモラハラやDV被害に遭い「コロナ離婚」の危機に陥る夫婦も少なくないといいます。

賢い子を育てる夫婦の会話』を著したNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事の天野ひかりさんは、「子どもは夫婦の雰囲気を敏感に察知し、会話から影響を受ける」といいます。

 そこで、これまで5万人以上のお母さん・お父さんの問題を解決してきた天野ひかりさんに、子どもに悪影響を与えず危機を乗り越える夫婦のコミュニケーションのコツを、本の中からいくつか紹介してもらいました。

大変さを言葉で客観的に伝える

 子どもは、お父さんから直接言われた言葉よりも、お父さんがお母さんとどんな会話をして、お互いを理解しようとしているのかをよく見て影響を受けています。お父さんとお母さんがコミュニケーションする姿を見て、子どもも自分の思いを言葉にして伝えることの大切さと方法を学んで育ちます。ですから、まずは、夫婦の会話を磨きましょう。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 つい、夫婦では自分の大変さを相手もわかってくれていると思いがちですが、言葉にしなければ、伝わりません。態度で示したり、どうせ言ってもわかってくれないと諦めずに、言葉にしましょう。

このとき、コツが必要です。

ポイント1:相手に「〜して!」と指示するのではなく、自分の大変な実情を言葉にすること。

人は(子どもも)指示されると、自分では何も考えずに(いやいや)するので、指示されなければやるようにはならない、つまり、何度も指示し続けることになりますね。でも、実情を把握すると、解決策を本人が考え始めるようになり、結果、自ら行動するようになっていきます。