キャリアアップのための資格
資格を取るなら、キャリアアップにつながるのがいい。しかし、平凡なパートのおばさんにどんな資格が取れるというのだろう。何か月も、あるいは何年もかけて取るような難易度の高い資格など狙えるわけがない。今からでも簡単に取れて、資格として認められるのは何なのか。教えて、鈴木さん!
●MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
IT系資格の基本。ただパソコンが使えるというのではなく、どれだけ使いこなせるかが重要で、それを客観的に証明するのがMOS資格。「プログラミングがバリバリできるレベルでなくとも、MOS合格レベル(ワードやエクセルの中級者レベル)のPCスキルがあれば、企業からは意外と重宝されるものです」
ワードとエクセルの機能を使えればいいだけで、専門知識や学歴は必要なし。それでも仕事のうえでは十分に役に立つ。
試験もそんなに難しくなく、また随時やっているので、今度出す履歴書に書きたいというときでも、間に合うかもしれない。パートの事務職に就くときでも、この資格を持っていると有利になる。
●秘書検定
「私は、新人社会人にこの資格を取るようにすすめています。社会常識やマナー、敬語の使い方、コミュニケーションのとり方など、社会人基礎力が学べるからです」
検定会場も女子大生、若い女性がほとんどだという。
すでに社会に出ている人にとってはどうなのか。
「学び直しとして、トライする価値は十分あります。誤って理解していた言葉遣いなどについて気づけることも多いです。資格を持っていればマナー力の証にもなります」
問題には、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の仕方、時候の挨拶、ビジネス文書に関する質問なども出るので、今さらであっても確認しておくとよい。きっと新しい気づきもあるはずだ。3級を足がかりに、さらに上の級にチャレンジし、エグゼクティブな秘書を目指す道もある。
●調剤事務・介護事務
事務の仕事をやっているけれど、ワンランク上を目指したいと考えているなら、医療系の事務職がいい。
調剤事務は、調剤薬局で保険の確認やレセプト(調剤報酬明細書)の作成を行う。
介護事務は、介護サービスを提供する事業所などでの事務の仕事。
高齢化社会が進んで、薬の需要が増えて、調剤薬局では即戦力になる人材が求められている。これは介護の現場でも同じだ。事務であっても、一般の事務職者よりニーズは高い。
調剤事務も介護事務も独学での勉強でも検定試験を受ける力は身につく。例えば技能認定振興協会が認定している調剤事務管理士は、試験問題集を中心に勉強する。
また独学では心細いという人には、認定団体の通信講座もある。
約1か月という短期間で、試験合格に向けた知識、技能を身につけることができるのが、日本医療事務協会が実施している調剤薬局事務通信コース。
この講座を修了すれば、検定試験は自宅で受験できる。
介護事務の検定には、介護事務管理士技能検定や介護報酬求事務技能検定などがある。
■MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
学習期間:1か月以内/試験日程:全国一斉 毎月1~2回日曜日に実施。随時試験は全国1700か所で行われている/試験形式:Word,Excel,PowerPoint,Access,Outlookの各アプリケーションについてOfficeバージョンごとに実施/受験料:10780円/認定団体:オデッセイコミュニケーションズ/勉強法:(1)対策教材を購入して独学で勉強(2)通信講座を受講
■秘書検定
学習期間:1か月以内/試験日程:年3回(2、6、11月)/試験形式:マークシート形式。1割が記述形式/受験料:受験級により2800〜6500円/認定団体:公益財団法人実務技能検定協会/勉強法:(1)秘書検定受験ガイドなどで独学(2)通信講座を受講
■調剤薬局事務検定 (*ここでは調剤薬局事務検定を例にする)
検定:調剤薬局事務検定/学習期間:1か月以内/試験日程:年12回/受験料:5000円/認定団体:日本医療事務協会/勉強法:(1)独学で勉強(2)通信講座を受講