1986年12月、出版社に殴り込みをかけたタレントのビートたけしは、懲役6か月、執行猶予2年の判決を受けた。
「たけしはその後、映画監督・北野武としても国際的な実績を残し、2016年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章『オフィシエ』を授与されました。日本の文部科学省は過去の罪状を考えてか、なかなかたけしの実績を公に認めなかったのですが、2018年春の叙勲で旭日小綬章が授与されたんです」
と冒頭の情報番組デスク。
「前科のあるたけしが“お国の叙勲”を授与されたわけですから、起訴猶予になった志村けんさんが国民栄誉賞を受賞しても、どこからも文句はでないでしょう。新型コロナウイルスも、いったん落ち着いてきましたから、ここであえて『志村けんに国民栄誉賞を』とメディアが発信してもいいと思いますよ」
これまで26人と1団体が受賞している国民栄誉賞だが、スポーツ選手、作曲家、歌手、俳優が主で、実はコメディアンの受賞者はゼロだ。
「芸人出身の渥美清さんがいますが、俳優としての受賞です。コメディアンという肩書きの人はいませんから、ぜひその第1号になってほしいですね」(演芸関係者)
1977年、当時の福田赳夫首相によって創設された同賞。最も多く授与した内閣総理大臣は安倍晋三首相で、その数7人。急激に支持率が低下しているが、“志村けんさんに国民栄誉賞”とぶち上げても、反対の世論は巻き起こりにくい。
〈取材・文/薮入うらら>