緊急事態宣言が解除されました。第2波を心配する声もありますが、街に活気が戻り始めています。婚活市場もオンラインお見合いに頼っていましたが、少しずつリアルな対面お見合いへと移行しつつあります。ライターをしながら、仲人としても婚活現場に関わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えてゆく連載。今回は、これから対面お見合いも活性化されていく中、「婚活で、お相手の気持ちをつかむ方法」を一緒に考えたちと思います。
考え方のベクトルが同じ方向を
向いているかが大事
4月7日に発令された緊急事態宣言が、5月25日に解除されました。49日間に及ぶ自粛生活でしたが、この間に独身の人たちは、さまざまな思いが胸に去来したのではないでしょうか? ことにひとり暮らしをしている方は、心細くストレスも溜まったと思います。
東日本大震災で日本中が混乱した後に、「生涯寄り添えるパートナーがほしい」と、“震災婚”が話題になったように、これから“コロナ婚”も増えていくかもしれません。今後はコロナと共生共存の時代が始まりますが、コロナの蔓延で不安や孤独を感じた独身の方たちは、ぜひとも本気で婚活を頑張っていただきたいです。
そこで今回は、お見合いやおつきあいに入ったときに、どうしたらお相手とうまくいくのか、気持ちをつかめるかを事例とともに考えていきましょう。
まずお見合いの後、交際から結婚に至るかは、話した内容に共感できるかどうかが大きな鍵となります。それはお互いがどんな価値観を持っているかにつながりますね。
耀子さん(31歳、仮名)は、真司さん(37歳、仮名)と、緊急事態宣言中にテレビ会議ができるアプリのZoomでお見合いをし、交際になりました。耀子さんは、塾の講師をしていました。緊急事態宣言中は、閉塾されていましたが、もし自分が感染者になったとすると開塾したときに生徒にも塾にも迷惑がかかると、なるべく外出をしないように心がけていました。
交際になってからも、真司さんとはしばらくはZoomやLINEでのやり取りをしたいと考えていたようです。
しかし、真司さんからは、「昼間、風通しのいいオープンカフェで、ランチをしましょう」というお誘いを受けました。
「最初は、嫌われたくなかったので曖昧な返事をしていましたが、何度もお誘いを受けたので、『緊急事態宣言が解除されるまではリアルにお会いするのは避けたいし、解除されてからも状況をみたい』と話したところ、毎日来ていたLINEが1日おき、2日おきとだんだん時間があいていきました」
そして、交際終了の連絡が来たのです。
緊急事態宣言中の行動パターンは、この事態をその人がどう考えるかで決められていた気がします。
“生涯のパートナーに会うことは、不要不急の外出ではない”と、考えていた人たちがカップルだった場合は、空いている時間帯に電車で移動したり車で移動したりして、オープンカフェや公園のベンチ等でデートを重ねていたでしょう。この2人は、コロナに対する考え方のベクトルが同じ方向を向いていているので、仲は進展していくでしょう。
「不要不急の外出は、絶対にしたくない」と2人で思っているのなら、これも考え方の方向性が同じですから、LINEやZoomを使って、コミュニケーションを取ることを楽しめたでしょう。
しかし、耀子さんや真司さんのように、女性は、「徹底して自粛生活をしたい」、男性は、「場所を選んで対面で会ってデートがしたい」と思っていると、どちらかの考え方に合わせないといけません。おそらくこの場合、外出をしたいと思っている方が、“自粛生活”を希望している方に合わせることになります。そこに不満やストレスを感じたら、交際終了になってしまいます。
成婚までたどりつくのは、考え方のベクトルが同じ方向を向いているカップルです。ただ、何もかも100パーセント考え方が合う人は存在しないでしょうから、相手との考え方が違っていたときに、それを許容できるか、合わせることにストレスを感じないかが大切なことになると思います。