《みなさん助けてください! コロナウイルスの影響で会社が危機に…》

 5月中旬にこんなツイートで危機的状況を訴えたのが『オーベルジーヌ』。1986年創業の欧風カレー店で、弁当やケータリングといった宅配食は年間24万個の注文を誇る老舗だ。

 オーベルジーヌのような撮影(ロケ)や番組の収録を行う際に出演者やスタッフに配られる弁当が、俗に言う『ロケ弁』。6月より多少再開しているところもあるが、いまだに多くの撮影や収録はストップしているため、現在、ロケ弁は“危機的状況”にあるという――。

「オーベルジーヌさんのカレー弁当は『笑っていいとも!』においてロケ弁ランキングで1位となるなど、芸能界では長く親しまれてきたロケ弁の1つですね。KinKi Kidsの堂本剛さんも大ファンで、グルメロケの収録の前なのに食べてしまうというほど。また、『人志松本のすべらない話』で小籔千豊さんがオーベルジーヌを話題にして爆笑をとった際は、非常に話題になりましたね」(制作会社関係者)

 そんな人気店が経営の危機とは、いったいどういうことなのか……。

ロケ弁に頼っていた売り上げが

コロナウイルスの蔓延前は、1日600食~800食程度の注文がありました。しかし、3月に入ったとたんに1日350食。4月は1日180食程度に落ち込みました」

 現状についてそう話すのは、オーベルジーヌの3代目店主で代表取締役の高橋祐介さん。

「売上のほとんどがイベント時、会議食、収録時にご利用いただいている『Bタイプ』のお弁当でした。しかしながら会議はテレビ電話、イベントや収録も自粛とお弁当を利用していただく機会がまったくなくなってしまい、需要は皆無です。コロナの影響が出る前は1件の納品数は100食から200食を毎日いただいていましたが、影響後はそれがいっさいなくなりました。

 現在は、ほとんどが1件につき2食から3食の納品ばかりです。納品先も会社ではなく一軒家やマンションなので、人が集まらなくなってしまったのが如実にわかります。みんなで集まってお弁当なんて、感染リスクの観点からするとありえないですから仕方ないと思います。結果、売上は50%ダウンとなりました。以前は注文の70%ほどはロケ弁が占めていたと思いますが、今現在の割合は5%程度です」(高橋さん)

 オーベルジーヌにおいて、ロケ弁として収録現場などに配達されるのは『Bタイプ』と呼ばれる弁当で、じゃがいものメークインが丸ごと付いたもの。「ロケ弁として、一番売れるのはビーフカレー、チキンカレー、野菜カレーあたりですね」(高橋さん)とのこと。

 コロナウイルスの影響にただ黙って手をこまねいているわけではない。