「売上が急激に落ち込みはじめた際は、家賃交渉や従業員の残業禁止など経費を抑えることばかり考えていました。しかし、いつまで続くかわからないのにそんなことを考えていては従業員もその家族も守れないんじゃないかと思い、売り上げを別の形で生み出そうと考えました。スーパーの売上が例年に比べて3割ほど上昇していると報道されていたので、自宅での食事頻度が増えたことは明らか。
当店のカレーを自宅で召し上がっていただこうと、『お取り寄せ おうちでオーベルジーヌ』と題して始めてみました。対策というより何か新しいことをやっていかないとまずいなと思いつきで始めたって感じです」(高橋さん)
お取り寄せについては、ツイッターではKinKi Kidsのファンなどから「ずっと頼んでみたかった」という声が多数上がった。
「ツイートは約137万人の方に見てもらえました。リツイート件数が6400件ほどありますのでお客様には本当に感謝しています。“潰れたら困る!”“応援してます! 頑張ってください!”“世界一大好きなカレー!”“オーベルジーヌのカレーはご褒美!”など、多くの励ましのお言葉をいただきました。
言葉が正しいかわかりませんが、今まで積み重ねたことが報われた、絶対に潰すわけにはいかない……そう思いました。私は15年間この会社に勤めていますが、これからの20年、30年に向けた励みになりました」(高橋さん)
滝沢秀明が愛するロケ弁もピンチ
代々木上原に本店を置く『魚屋さんのお弁当 金兵衛』も、オーベルジーヌに並ぶ芸能界で人気のロケ弁の1つ。グルメで知られるアンジャッシュの渡部建や滝沢秀明、バカリズムなどが番組や自身のSNSで紹介している人気店だ。
「滝沢さんは“これがロケ弁で出ると張り切る”というほど、金兵衛のファンで、先輩であるTOKIOの番組に出た際は、弁当だけでなくさまざまな食べものも含んだ“大好物ベスト10”に入れていたほどです」(エンタメ誌ライター)
タッキー御用達の金兵衛も、やはりコロナの影響は出ていて……。
「確かにテレビやイベント関係は、このような時期ですので当然減少しております。政府および都のコロナ関係の発表によりキャンセルなども出ますが、おかげさまで店頭販売や個人のお客さまのご注文及びお届けが増えてきました。全体としては製造数が半分近くになっておりますが、みなさまが同じ条件ですので頑張っていこうと思います」(金兵衛担当者)
ロケ弁で特に人気だというのが、1200円の『銀だら西京漬け焼き弁当』。タッキーが“大好物”としているのもこちらの弁当だ。コロナ禍において、金兵衛はどのような営業を行っているのか。
「店頭販売で家族や個人のお客さまに喜んでいただけるよう、配達用より安い価格の設定と、日替わりの金兵衛らしいのり弁を販売しております。緊急事態宣言後は日替わりで150円惣菜も始めております。インスタグラムなどお客さまのSNSを拝見して、お惣菜が晩ごはんなどにされているとうれしく思っています」(同・金兵衛担当者)