昨年の夏、金融庁の報告書「老後資金2000万円」に国民は大慌てしたが、なんと50代で金融資産がない世帯が20%も! 女性の2人に1人は90歳まで生きる時代なのに、どうすればいいの!? 今から大金を貯める余裕なんてありはしないというあなたのために、少しでも安心して老後を迎えるための4つのポイントを伝授しよう。
老後資金は100歳まで考えておく
老後資金を考えるにあたり、自分は何歳まで生きると仮定すればよいのだろう。女性の平均寿命が87歳であることから考えると、そのくらいまでは生きられそうだが。
「長寿化が進んでいますからね、もっと生きられますよ。女性の2人に1人は90歳まで生きる時代ですし、人生100年時代に備えるプランを考えていきましょう」と、年金や社会保障問題に詳しい井戸美枝さん。
悠々自適に楽しく幸せな人生を送れるなら、100歳までも長生きしたいが、年金だけでは足りなさそうだし、病気にだってなるかもしれない。長生きしても、健康寿命が短くて医療や介護のお世話になる可能性もあるから、どれだけお金が必要なのか見当もつかない。老後の不安のほうが先に立つ。
金融庁は「老後資金は2000万円」というけれど、金融資産を保有していない「貯金はゼロ」の高齢者世帯が5軒に1軒あるというのが現実だ(下のグラフ参照)。老後破産とか下流老人なんて言葉も決して他人事ではない。
「不安がっていても老後は確実にやってきます。今からでも遅くありません。老後のお金に困らないために、4つの原則を紹介しましょう。1.自分の年金を把握する。2.生涯にわたり働き続けられるスキルや仕事を持つ。3.生命保険を見直す。4.収入の範囲で暮らす生活スタイルを持つ。この4つの原則をぜひ実践してください」