【原則2】
働ける間は給料で! 年金は遅く受け取る
Q.不足分はどうすれば?
老後にいくらかかるのかがわかれば、あとは埋めていく方法を考えればいい。
「今の60代はとても若い。そこで、70歳までは現役で働いてから、年金を受け取るという方法があります」(井戸さん)
平均的勤め人(38年間勤務・年収350万円、国民年金40年加入)が65歳ではなく、70歳受け取りにすると、年金受給額は年に213万9000円。65歳から受け取ったときよりも、年間で約63万2700円増し。100歳まで受給すると約1898万円も増えるのだ。
「長く働いて、遅く受け取るのが最強なんです」(井戸さん)
Q.仕事がないのでは?
問題はどうやって長く働くか。手に職があればいいが、今から何ができるのか。
「お金とキャリアって似ているんです。どちらも何もしなければ変わらない。変えようとすれば変わる。キャリアアップしようと思ったら、おすすめの場所があります」(井戸さん)
ハローワークや市区町村で、資格を取る講座を無料で受講できたり、それどころか、通っているとお金までもらえてしまうという講座もあるというのだ。
お金をもらいながらキャリアを積んで、できるだけ長く働いて、年金の受け取りを遅らせる。これがうまくいけば、老後が少し明るくなってきたのでは。
【届け出てもらおう! 仕事編】 タダで、お金をもらいながらスキルを磨く
●求職者支援制度 トクするお金:10万円/月 届け出先:ハローワーク
対象はパートやアルバイトで雇用保険に未加入だった人。無料で3~6か月の職業訓練を受けながら再就職を目指す。パソコン事務、介護職員実務者事務、エステティシャン・ネイリスト・アロマの技術習得、ペットショップトリミング技術習得など。
●一般教育訓練給付金 トクするお金:最大10万円 届け出先:ハローワーク
在職中から、退職して1年以内に講座を受講する。資格取得やスキルアップのための受講費用などの一部が給付される。講座は幅広く、学芸員、司書教諭、消費生活アドバイザーなど。通信教育もある。資格取得ではなく修了が条件なので、まずはチャレンジしてみよう。
●専門実践教育訓練給付金 トクするお金:最大168万円 届け出先:ハローワーク
看護師、介護福祉士、美容師、保育士、栄養士など指定された専門教育訓練を受講すると年間上限40万円×最大3年間支給される。受講修了1年以内に就職すると追加支給があり、最大で168万円という手厚い給付を受けることができる。事前にキャリアカウンセリングを受けるなど条件あり。
●高年齢雇用継続基本給付金 トクするお金:162万円(定年前賃金が月額30万円の人が18万円になったとき) 届け出先:ハローワーク
定年後も同じ会社に働いているのに、賃金が下がってしまったときに、65歳まで給付金が支給される。再雇用で働くと、賃金が下がってしまうことが多いのだが、こうした給付金があるので、ぜひ活用したい。定年間近の男性たちにも教えてあげよう。
●各自治体による資格取得講座 トクするお金:格安で資格講座を受講 届け出先:市区町村
自治体の中にも、就職や転職、スキルアップに役立つ資格取得を支援しているところがあるので、自治体の広報誌やホームページなどをチェックしてみて。内容は自治体により異なるが、受講料は割安に設定されている。