ネット証券なら手数料がゼロ円も
ただし、投資の中でも株式はハイリスク・ハイリターンだ。うまくいけば投資した金額の何倍もの利益を得られる可能性はある。一方、急な経営悪化などで株価が暴落する危険性も伴う。
「まとまったお金を一気につぎ込むのではなく、最初は少額から始めるのがリスク回避につながります」
そもそも株式投資とは自分が選んだ上場企業の株を買って株主になることだ。株式は株式市場で自由に売買でき、買った値段より高く売れば値上がり益を得られ、逆に値下がりすればそのぶん損をする。
値上がり益は株式投資のいちばんの醍醐味だが、どうやって株デビューをするのか? まずは証券会社で口座を開くのが第一歩。証券会社には店舗型とネットの2種類がある。
「現在はネット証券を利用する人が圧倒的に多いですね。いちばんの理由は手数料の安さ。店舗での対面取引の場合は、株の1回の売買に成立した金額の1%前後の手数料がかかりますが、ネット証券では50万円以下であれば手数料無料のところも。総じて数十円から数千円と低水準です。
一方、店舗は、担当者が対面で商品や相場の動きなどの情報を提供し、売買の注文を取り次いでくれます。わからないことは何でも聞けますし、相場の動きを見て売買のタイミングを教えてもらえたりするメリットがあります」
ネット証券の場合は、証券会社のホームページからオンラインで申し込みが可能。自分の情報を入力し、本人確認書類など必要な書類を提出すれば口座が開設できる。まずはどこの証券会社で取引するかを選ぶのが先決だ。
「現在、もっとも利用者(口座数)が多く、二強と呼ばれるのは、SBI証券と楽天証券です。例えば楽天証券だと楽天カードのスーパーポイントを投資に使えるなど、各社それぞれ特徴があります」
手数料や特徴を比べて自分に合った会社を選ぶとよいだろう。口座開設の申し込みの際には、口座の種類(納税の方法)と、NISAの希望の有無を選択する。
「まず、一般口座と特定口座の2種類があり、納税の方法が異なります。株式投資によって利益を得ると約20%課税され、納税する義務があります。一般口座は利益の税額計算をして、確定申告をし、納税まですべて自分で行います。
特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が納税までの手続きを代行してくれます。自分で確定申告する人以外は、手間がかからない後者を選ぶ人が多いようです」
『NISA』という言葉はよく耳にするだろう。正式名は少額投資非課税制度。株を売ったときの利益や配当金が課税されない制度のことだ。
「その恩恵にあずかるには、NISA口座を開設します。ただし、無制限に非課税になるわけではなく、年間120万円までという上限があり、それを超えるものはNISAの枠を使えません」
非課税となる期間は5年間で毎年120万円投資したとしたら5年間で600万円。それに対する利益に一切税金がかからないことになる。