コロナで儲かったベンチャーを狙え
口座を開設したら、いよいよ株を購入。その前に基本的な知識を。株式市場では日々取引が行われ最新の取引価格を“株価”という。日本には東京証券取引所のほか3つの取引所があり、その中に東証1部、マザーズといった市場がある。証券取引所に上場している企業は4000社以上。
なお、購入できる単位は原則として100株。例えば株価が800円なら100株で8万円を支払うことになる。中には、1株から買える単元未満株というものもあるが、数が少なく、扱っている証券会社が限られる。
おびただしい数の銘柄の中からいったい何を選べばよいのか? ここは、吉田さんにアドバイスをいただこう。
「株を見極めるポイントは大きく2つあります。“割安感”と“成長性”です。割安感とは、資産がある大企業の株価がそのとき下がっていたら割安で買っておくということ。後者は、企業の成長に期待して買うこと。
今はまだ資産が積み上がっていないけれど、今後売り上げ増や事業の発展などが予測される新興系の会社の株を購入しておけば、今後グンと上がる可能性があるでしょう」
割安感か成長性か、どちらを着目すべきか?
「すでに確立された大企業は、そもそも株価が高く、購入額が高くなりますし、上昇率も大きくは望めません。少ないお金で、5倍、10倍の利益を狙うならば、成長性を見て選ぶのがおすすめです」
どんな業種が、今後伸びていくと予測されるのだろうか。
「コロナ禍の外出自粛により需要が伸びた物流系。IT系、ITを支える半導体の研究・製造メーカー。オンライン診療関連などです。例えば物流系ですと、オンラインショッピングサイトの大手『アマゾン』の株価が上昇していますが、アマゾンの物流センターの管理を委託している『ファイズホールディングス』(株価1148円)もそれに伴って急成長しています。
これは“風が吹けば桶屋が儲かる”ということ。株を買うとき、単純に“この企業が成長する”という視点だけでなく、そこが提供する商品やサービスに関連する企業にも目を向けると、株の面白みがガ然、広がりますよ」
わかりやすい例を挙げると、スーパーの売り上げが伸びると、食品トレーの需要が増え、その会社の売り上げも伸びる。
「具体的に企業名を挙げると、食品トレーやお弁当容器の製造・販売のトップシェアを占める『エフピコ』(株価8180円)。この会社は『出前館』と冷めないラーメン容器の共同開発もしていて、今後さらに成長が見込めます」
コロナによって以前の10倍以上利用者が増えたのがオンライン診療だ。
「そのシステムやプラットフォームを提供する『メドレー』(株価3970円)と、『メドピア』(株価2926円)の株価が上昇中。ともにおすすめですね」