田中みな実が塁に出て

しげる「ね! すごくかっこいいんです! でもあのドラマ、賛否両論ありませんでした? ドラマを楽しんで観ている人と、“大好きな浜崎あゆみさんでふざけるな”みたいな両極端の視聴者の声があるって聞いたことあるんですけど」

鈴木「テレビってこれまでは“世帯視聴率”が中心だったんですけど、ここ1年ぐらい、個人視聴率が大事だと言われています。あとは、視聴率じゃなく、SNSでどれだけトレンドに入るかだとか。でも意外と視聴率って、よほどズバ抜けていない限り、そこまで話題にならないんです。そうすると“世の中をざわつかせることがこのドラマを作る目的なんじゃないかな”と思えてきて。“ざわつかせる”という意味で言えば、賛否両論はむしろ歓迎されることなんですよね」

しげる「実際、SNSですごく話題になってましたよね。思惑通りってことなんですね」

鈴木「そうですね。思惑としては、まずは田中みな実さん演じる礼香が話題になればいいなと思っていました」

しげる「田中みな実さんの役柄のモデルはやっぱり『スチュワーデス物語』の片平なぎささんだったのかな?」

鈴木「そうです、そうです! もちろんそれだけじゃないんでけど、『スチュワーデス物語』の片平なぎささん演じる真理子は、元婚約者の浩(風間杜夫)とヒロインの千秋(堀ちえみ)に嫉妬して、『ひろし~!』とか言いながら、義手をギリギリとやるじゃないですか。あのイメージですよね。

 逆に安斉かれんさんは堀ちえみさん。堀さんも当時、新人の女優さんで、あの初々しさがあのドラマの魅力の一つでもあったわけです。安斉さんも本業は歌手で、お芝居はこのドラマが初ですから、そこに共通点がある。また堀さんのセリフで『ドジでのろまな亀』というものがあって、それも当時流行ったのですが、だからアユ(安斉)のセリフも『アユ、ダイヤになる!』」

しげる「なるほど〜(笑)」

鈴木「野球で言えば、話題面でまず田中みな実さんが塁に出て、その後に安斉さんが堀ちえみさんのように話題になれば、というイメージ戦略で脚本を書いていたところはあります