更年期障害、月経不調、子宮筋腫、子宮内膜症、避妊などで婦人科でよく処方される卵胞ホルモン、黄体ホルモンなどの女性ホルモン剤も非常に危険な薬だ。ほとんどの女性ホルモン剤に血栓症の副作用があり、飲み続ければ続けるほど危険性が高くなる。
また頻繁に起こる副作用として、浮腫(ふしゅ)や体重増加、頭痛、乳房痛などもある。
「それだけではありません。『スプレキュア』といった薬はうつ症状を起こすことがあり、実はホルモン剤の副作用なのに、精神科で抗うつ剤を処方されて飲むことになってしまった、というケースがあります」(松田医師、以下同)
更年期障害が強い場合でも、ホルモン剤は極力避けて、漢方やアロマ、ハーブ、食事療法、運動などで乗り越えるようにしたい。
即・断薬しても問題ない薬もある
加齢と閉経で急増するといわれる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)には、医者がよく口にする、こんな常套句(じょうとうく)がある。
《骨がもろくなると骨折して寝たきりになってしまいますよ。骨を丈夫にする薬を飲みましょう》
誰でも寝たきりにはなりたくないし、薬を飲むだけで骨が丈夫になるなら、こんなに簡単なことはないが、
「代表的な薬がビスホスホネート製剤と呼ばれ、新薬が次々と登場しています。しかし本当に効くのか、疑問ですね。骨密度は上がるのですが、この薬を飲んでいて骨折した場合に、骨の修復を邪魔し、治りが悪くなることが考えられます。また歯科治療などの刺激であごの骨が壊死(えし)する副作用も報告されています」
これでは安心して飲めないし、薬として困る。
骨を丈夫にするには、薬に頼るよりも、昔から言われているように、日光浴と骨に一定の負荷をかけた適度な運動、そしてビタミンDやカルシウム、ケイ素などのミネラルを食事で摂取するほうがよさそうだ。小魚も積極的にとりたい。
「骨粗鬆症薬は、急にやめても問題はありません」