ドラマチックな引き際?役者編
では、役者の引退はどうか。国民的ヒロインとまで呼ばれる「朝ドラ女優」にも意外とあっさりやめた人がいる。
例えば『梅ちゃん先生』の堀北真希。これはまぁ、寿引退という、最近では珍しい百恵パターンだが、謎めいていたのが『おんなは度胸』の桜井幸子だ。それ以降も『高校教師』(TBS系)など野島ドラマの常連として活躍したあと、結婚、離婚を経て、2009年にこんなコメントを発表した。
《十数回海外の仕事を頂き、また、数回の海外留学の経験をさせて頂きました。これらの経験が契機となり、数年間考えた末に今回の決断に到りました》
今後は《より一層社会的見聞を広め、社会に貢献できる個人を目指していく》という。
その2年前には朝ドラ『オードリー』の岡本綾が引退。事務所によれば、本人から、
「女優として内から引き出すものがなくなり、表現者としての限界を感じている。1度、自分自身を見つめ直す時間がほしい」
という申し出があったという。ただ、スキャンダルとの関連も取りざたされた。これは前年、中村獅童が飲酒運転で検挙された際、元・交際相手の岡本が同乗していたというもの。獅童はその約1年前に竹内結子とできちゃった結婚しており、メディアは三角関係か、という見方もした。ちなみに、竹内は岡本の2作前の朝ドラ『あすか』のヒロインでもある。
女優ではほかに、宝生舞が10年前に引退。
《これからの人生、『宝生舞』としてではなく、 また『役』としてでもなく自分自身をしっかりと確立させるため、この度の決断に至りました》
というのが理由だった。桜井や岡本にも通じる「自分探し」引退である。
一方、男性の役者では不祥事、それも犯罪絡みの引退が目立つ。加勢大周は覚せい剤取締法で逮捕されたことから、成宮寛貴は薬物疑惑を報じられたことから、芸能界を去った。
成宮はゲイ疑惑が報じられたことにもショックを受けたようで、
《この仕事をする上で人には絶対知られたくないセクシャリティな部分もクローズアップされてしまい、このまま間違った情報が拡がり続ける事に言葉では言い表せないような不安と恐怖と絶望感に押しつぶされそうです》
と、表明。現在は自らデザインした商品のプロデュースなどを行っている。
また、11年前に合成麻薬を一緒に服用したホステスが死亡した事件で引退した押尾学は、今年、再注目された。コロナ禍による再放送ブームで『やまとなでしこ』(フジテレビ系)が放送され、彼の出演シーンも映ったのだ。
ただ、本人は芸能界復帰をあきらめ、定職についているらしい。